グーグルは10月9日、マルチデバイス環境下でユーザーを追跡し、各種広告のより正確なコンバージョン数を知らせる新サービス「推定合計コンバージョン」を発表した。国内では10月下旬に正式リリース予定で、現在は一部のユーザーに限定して提供されている。

推定合計コンバージョンでは、マルチデバイス(PC、スマートフォン)でGoogleアカウントにログインしているユーザーのデータを収集してサンプリングデータとして活用。それを基にデバイス跨りのコンバージョンの総計を推定し、1端末で完結した従来のコンバージョン数と併せて、全体のコンバージョン数を出稿主や広告代理店に伝える。

現在の広告技術では、例えば、スマートフォンで広告バナーからECサイトへ遷移して商品を検討したものの、最終的な購入作業はPCで行ったというような場合、広告配信側からスマートフォンのユーザーとPCのユーザーを同一人物と認識する手掛かりがないため、コンバージョンとしてカウントすることが難しかった。

それに対して今回発表された推定合計コンバージョンでは、スマートフォンとPCの双方で同一Googleアカウントにログインしているユーザーを追跡して、デバイス跨りのコンバージョン数をカウント。これをサンプリングデータとして用い、統計学的に全体のコンバージョン数を算出することで、従来よりも正確な広告効果を計測できるとしている。

グーグル 広告ソリューション推進本部 プロダクト&ソリューション スペシャリストの丹下智貴氏は、こうしたサービスの提供背景について、「98%のユーザーは1日に複数のデバイスを使用しており、90%のユーザーは1つのタスクを達成するまでに複数のデバイスを活用している」と利用実態を説明し、そうした環境下で広告効果を正しく把握するべく、今回の技術が開発されたと明かした。

また、推定合計コンバージョンの精度については、「ある程度のコンバージョン数があるWebサイトというのが前提になるが、約95%とかなり高い確率で実数に近いコンバージョン数を提示できる」と、米Googleでのテスト結果を紹介している。