東京国立近代美術館、マグナム・フォト東京支社は、世界で最も注目される写真家の回顧展「ジョセフ・クーデルカ展」を開催する。開催期間は11月6日~2014年1月13日まで(月曜、12月24日、12月28日~1月1日は休館、ただし12月23日、1月13日は開館)、開場時間は10:00~17:00(金曜は20:00まで)。入場料は一般850円、大学生450円(高校生以下および18歳未満、障害者手帳をお持ちの方とその付添者1名は無料)。
ジョセフ・クーデルカ「カオス」より ノール=パ=ド=カレー、フランス(1986年)/ウェールズ、イギリス(1997 年)/ウェールズ、イギリス(1997年) (c)Josef Koudelka / Magnum Photos |
同展は、今日、世界で最も注目される写真家のひとりと言われている、ジョセフ・クーデルカの初期から最新作まで約280点を紹介する本格的な回顧展で、企画展ギャラリーの大空間に代表的なシリーズ「ジプシーズ Gypsies1962-1970」や「エグザイルズ Exiles 1968-1994」などが展示される。2002年に故国チェコ共和国、プラハのナショナル・ギャラリーで開催されて以降、トルコやメキシコに巡回し、今回がアジアでは初の開催となる。
また東京展では、これまでの巡回展では出品されなかったヴィンテージ・プリントが加わるほか、1980年代後半より取り組んでいるパノラマ・フォーマットの作品「カオス Chaos 1986-2012」シリーズを、最新作も含めた新たな構成として展開する。
なお、ジョセフ・クーデルカは1938年チェコスロヴァキア、モラビア生まれの写真家。1961年プラハ工科大学卒業。航空技師としての仕事のかたわら、舞台写真やジプシーたちを撮影し、1967年にはフリーランスの写真家として活動を開始。その翌年にソビエト軍のプラハ侵攻を撮影した写真は、本人および家族への報復の懸念から匿名で発表され、ロバート・キャパ賞を受賞する。以降、イギリスやフランスを拠点に活動し、市井の人々のささやかな人生の陰影をとらえた、詩的でありながら独特の強さをもつ作品によって、欧米の写真界でその名を知られるようになる。