ネポンと日本電気(以下、NEC)は、農業の生産性向上や農産物の品質改善に貢献する農業ICTクラウドサービス(ネポンブランド名:アグリネット)において、新たに天窓やカーテンの開閉、暖房機や炭酸ガス(CO2)発生機などの制御機能を開発、年内にサービスを提供開始予定と発表した。
両社は、2012年1月に農業ICTクラウドサービス事業で協業し、同年5月にサービス提供を開始、機能強化を進め、現在、JAちばみどり、JA富里市、JAやつしろなど、すでに200件の農業生産者に利用されている。
今回の農業ICTクラウドサービスの強化内容は、温湿度計や照度センサ、CO2センサなどの情報を基に、天窓の開閉角度やカーテンの開閉、冷暖房機のON/OFF、炭酸ガス(CO2)発生機のON/OFFなど、ハウス内の機器を統合的に自動制御が可能。農業生産者は、スマートフォンやタブレットを利用し、天窓の開閉を自動で行う時間や温度の設定、開閉量を、クラウドを経由することでいつでもどこからでも設定変更できる。
また、各種センサのデータや、天窓の開閉角度・暖房機の稼働状況などを、グラフやデータ一覧表示により確認っでき、数値データの一覧はCSVデータによりダウンロードも可能。クラウド上で、栽培に役立つ飽差(温度と湿度を保った空気にあとどれだけ水蒸気を含むことができるかを示す指標)を自動計算し、グラフ表示やデータをダウンロードする機能も提供。さらに、あらかじめ、加湿を開始する濃度と除湿を開始する濃度を、飽差適正範囲としてグラフ上に表示する。これらにより、適切なタイミングでCO2を供給することで、高品質・高収量の生産に貢献。加えて、雨センサ、風センサなどの天候情報を元に、クラウド上であらかじめ設定した条件で警報を発信し、メールで受信できる。
両社は今後も、ICT及びクラウド技術を活用したサービスを農業生産者に提供し、ビッグデータを活用した合理的な農業経営の確立を支援していく。