古野電気は10月9日、携帯電話の第4世代通信規格「LTE-Advanced」の小型基地局(スモールセル)などに最適なマルチGNSS(Global Navigation Satellite System)タイミングモジュール「GT-87」を開発したことを発表した。

同製品は、米国のGPS測位衛星と静止衛星による位置補正システム「SBAS(エスバス)」に対応する従来機種「GT-85」と異なり、世界トップクラスの捕捉衛星数を確保する車載向けマルチGNSS受信LSIチップ「eRideOPUS 7」を搭載することで、日本の準天頂衛星システム(QZSS)やロシアの全地球航法衛星システム「GLONASS」も同時に受信可能な、マルチGNSSタイミングモジュールとなっており、視野内衛星数をGPS単独測位に比べて約2倍に増加したことによる安定運用が可能となっている。

また、タイムパルスと連動して、周波数可変(4KHz~40MHz)のクロック出力が可能であるため、日本のみならず、海外を含むインフラネットワークの保守運用など幅広い需要に対応していくことが可能だという。

さらに、GLONASSへの対応が不要なユーザー向けには、基本仕様を共通とするGPSタイミングモジュール「GT-86」(チップはeRideOPUS6を採用)も提供する予定で、GT-87と同様に、アンチ・ジャミング機能(妨害波対策)や耐マルチパス機能(反射波対策)を搭載することで、ノイズ除去性能を従来機種に比べて向上させたものになっているという。

なお、2製品ともに2014年2月から販売を開始する予定だという。

「eRideOPUS7」(左)と「GT-87」(右)の外観イメージ