NTTデータは10月8日、顧客ニーズに最適なクラウド基盤の選定や複数クラウド基盤の統合管理・運用をサポートする、クラウドブローカーサービスの提供を開始することを発表した。具体的には、多様化する顧客の個別要件に最適なクラウドを選択し提供する「マルチクラウドインフラ提供サービス」と、2014年には複数のクラウドを組み合わせて統合管理する「マルチクラウドコントロールサービス」の2つを提供する。

マルチクラウドインフラ提供サービスには、これまで提供してきたクラウドサービスに加え、アマゾン ウェブ サービス(以下、AWS)に対応した「BizXaaS プラットフォームサービス Flex-A」の提供を新たに開始する。

これらのサービスにより、従来のプライベートクラウドに加え、パブリッククラウドや自社運用であるオンプレミスを組み合わせたハイブリッドクラウドへの対応を強化し、顧客のクラウド導入をサポートする。

クラウドサービスの市場規模は、2012年度から年平均32.0%の成長を続け、2017年度には2兆円を超えると予測されている。現在企業が利用するクラウドサービスはプライベートクラウドが主であるが、安価・時間課金・柔軟性などの特長を持つパブリッククラウドの利用も拡大している。

昨今では大規模な企業システムでクラウド基盤を活用するケースや、複数のサービスを組み合わせた最適な連携を求められるケースが顕在化している。SI業界においては、従来のオンプレミスに比べて短時間でシステムを構築することや、使用したリソースのみの従量課金によるコストの抑制などの特長を生かし、プライベートクラウドとパブリッククラウドを組み合わせて多様化・複雑化する顧客個別要件への柔軟な対応が求められている。

このような背景から、NTTデータはBizXaaS プラットフォームサービスを強化し、クラウド基盤のラインナップを拡充した「マルチクラウドインフラ提供サービス」と「マルチクラウドコントロールサービス」を提供することとした。

マルチクラウドインフラ提供サービスでは、複数のクラウドサービスを取りそろえ、顧客の個別要件に合わせてそれぞれのサービスを組み合わせて提供する。

これまでNTTデータは自社データセンターやNTTコミュニケーションズのパブリッククラウド「Bizホスティング Cloudn」を利用し、クラウドサービスを提供してきた。それらのサービス提供により蓄積してきたノウハウを活用し、顧客ニーズにより柔軟に対応するため、今回AWSをラインナップに追加した。さらに今後ディメンションデータが提供するManaged Cloud Platformにも対応予定とのことだ。

マルチクラウドコントロールサービスにおいて、NTTデータは、従来のシステム運用とクラウドの特長を踏まえた運用を一元的に実現可能なマルチクラウドコントロールセンターを立ち上げ、リソースの拡縮・プロビジョニング・運用自動化などの機能を提供する。さらに、それらの機能を利用した運用業務を一括して代行するアウトソーシングサービスも提供される。