大日本印刷(DNP)と日本ユニシスは10月8日、日本ユニシスのクラウドコンピューティングサービス「U-Cloud」を活用したPIM(Product Information Management:商品情報管理)システム「PRO-V」のクラウド型サービスを発売する。従来は1億円以上の導入費用が必要だったPRO-Vを、クラウドサービスに寄って月額100万円以下から提供できるようになったとしている。
PRO-Vと日本ユニシスが提供するWebサイトの多言語コンテンツ管理サービス「SDL Tridion」との連携により、グローバル展開しているWebサイトの運用負荷の軽減はもとより、短期間でより多くの言語バリエーションによる情報配信がスピーディに行え、商品情報の質・量・タイミングの最適化が実現するという。
DNPと日本ユニシスは、2012年8月に締結した業務提携契約に基づき、「異業種連携」による新規事業拡大を実現する事業基盤を強化するため、「マーケティング・販売連携」「サービス事業基盤の強化」「マーケティングプラットフォームの共同開発・展開」「グローバル展開」の4つの領域での取り組みを進めている。今回の発表は、「マーケティング・販売連携」の取り組みの1つで、両社の顧客への提案力強化を目的としたものとのことだ。
PRO-Vは、管理する商品や業務範囲を限定したスモールスタートが可能で、利用状況に応じてユーザー数・データ量・利用頻度などを拡張させることができる。まず基本機能のみを活用して効果を検証することにより、企業ごとに必要とする機能やカスタマイズを要する機能などを見極め、予算や期間、規模や使い勝手などに合わせて、最適なタイミングでシステムを導入、拡張することが可能。
高水準のセキュリティ環境を持つU-Cloudによるクラウド型サービスのため、企業は機器やネットワークなどのインフラ環境の整備が不要で、安全かつ安定的なシステムの稼働が期待できる。
操作も容易で多言語に対応したSDL Tridionとの連携により、商品情報のマスターを更新すると的確かつ最適なタイミングでWebサイトに反映される。グローバル展開する商品の情報発信やプロモーションなどへの即時展開が可能。
PRO-Vは、企業が製造・販売する多種多様な商品の情報を一元管理するPIMシステムである。デンマークのStibo Systemsが開発したPIMシステム「STEP」をDNPが2009年7月に日本企業向けにローカライズしたもの。日・英・仏・中国語などあらゆる言語による商品情報や関連コンテンツの管理が可能で、完成度の高いDTP(Desktop publishing)データの制作やWebサイトなどとも連携できるなど、企業のグローバルな事業展開に必要かつ最適な機能がパッケージ化されている。
U-Cloudは、日本ユニシスのIDC(Internet Data Center)基盤上で、堅牢なネットワークや柔軟なサーバーリソース、安全な運用を必要な時に必要な分だけ提供するクラウドコンピューティングサービス、アウトソーシングサービスを合わせたICTサービスの総称である。
SDL Tridionは、SDL・Tridion株式会社が提供するWCM(Web Content Management:ウェブコンテンツ管理)ソリューション。マスターコンテンツを更新するだけで、自動的に海外子会社などのWebサイトのコンテンツも更新することができまる。コンテンツやレイアウト、アプリケーションなど、ウェブサイトの構成要素ごとに分けて管理できるため、グローバルに統一して更新すべき要素と、国や地域ごとに更新すべき要素を分けることも容易で、サイトによって異なるメッセージをスピーディかつ的確に更新して発信することができる。