富士通は10月7日、多種多様なデータを高速に収集・加工して統合するデータ収集・統合ソフトウェアの新エディション「FUJITSU Software Interstage Information Integrator Enterprise Edition V11」を発売した。運用ノードコアライセンスが275万円より、待機ノードコアライセンスが105万円より、プロセッサライセンスが150万円よりとなっている(各税別)。

同製品は、従来の日次・週次・月次の売上データなど蓄積した情報の傾向分析・施策立案する形態に加え、現場で発生している最新データを収集・統合して、需要の変化を予測した販売施策や店舗間の在庫融通など、リアルタイムな情報利活用を実現する。

世界最大手の信販会社をはじめ世界68か国、4000社を超える企業で採用実績のあるSyncsortの「DMExpress」の高速データ加工技術と、富士通の高速データ転送技術を融合し、データ収集・統合ソフトウェア「FUJITSU Software Interstage Information Integrator」のラインアップを強化するものである。

企業の情報システムは、経営統合や他社との連携などを経て複雑となる一方で、システムから収集、分析するデータの量と種類はますます増加している。ビジネスの現場では、最新の情報を利活用し、データ分析の結果を短時間にビジネス活動に反映し、新たなサービスの提供や製品価値の向上を目指す取り組みが始まっている。

富士通では、既存のStandard Editionで提供済みの革新的な高速データ転送技術とDMExpressの高速データ加工技術を融合した新製品により、遠隔地や通信回線の品質が低い地域からでも大量のデータを短時間で収集し、基幹系データをさまざまなデータと組み合せて高速に加工することができる。

企業内外に分散した多種多様なデータの利活用では、分析ノウハウの蓄積と再利用による分析業務の高度化に加え、より多くの最新データに基づく分析の重要度が増している。データウェアハウスやBI(Business Intelligence) / BA(Business Analytics)ツールによる情報利活用の現場では、最新データを取り込んだ推移予測や予兆の自動監視など、要件の高度化が進行している。

同製品は、Standard Editionで好評の革新的な高速データ転送技術と、DMExpressの高速データ加工技術を融合したETL(Extract Transform Load)である。リアルタイムな情報利活用に求められる、大量の最新データの転送と加工を高速に処理する。

大手小売業のユーザーを想定した例では、国内全店を対象にした売れ筋分析をシミュレートする12GB(ギガバイト)/2400万件のPOSデータの転送・加工処理(注2)の時間を、当社従来製品の9分の1(4時間25分から31分)に短縮した。

POSデータの転送・加工処理を4時間25分から31分に短縮できた

同社は、「FUJITSU Software Symfoware Server」や「Oracle Database」「Microsoft SQL Server」「SAP Sybase IQ」など12種類以上の主要なデータベース・データウェアハウス、SAPをはじめとするERP(Enterprise Resource Planning)など、豊富な連携実績を持っている。GUIの定義ベースで、既存の業務システムに影響を与えることなく、データ活用の基盤を構築できる。

同製品は、エントリーサーバからハイエンドサーバまで、またオンプレミスからクラウド環境まで、プラットフォームの特性に応じた性能を最大限に引き出して動作する。ハードウェアのリソースや入力データの形式を分析し、最適な割り当てを自動計算し、最も効率的にマルチコアで並列実行する。Standard Editionに比べてコアの性能を従来の170%引き出し、ディスクアクセスも10分の1に削減、効率的に処理を実行する。データの量や種類の増加に応じてハードウェアリソースを増強しても、高度なチューニングを施す必要はないとのことだ。