Infineon Technologiesは、Trusted Platform Module(TPM) 2.0に対応したディスクリート型セキュリティチップ「Optiga TPM」ファミリを発表した。

「Optiga TPM」は、不正なアクセスや攻撃からコンピューティングシステムを守ることに特化したマイコンで、対応温度範囲をさらに拡大したバージョンを加えた他、シリアルと並列のいずれのインタフェースにも対応し、TPM 1.2/2.0の実行も可能になっている。「SLB9645」は産業やエンベデッド、および多様なモバイルコンピューティングシステムに広く利用されているI2Cインタフェースが採用されている。また、「SLB9660/665」には、x86ベースのコンピューティングプラットフォームに使用されるLPCインタフェースが採用されている。

TPMは、主要なIT企業が所属し、安全なコンピューティング環境を実現するオープンな規格を定めるTrusted Computing Group(TCG)によって定義されたもので、企業は信頼可能なハードウェアとアプリケーションを組み込んだシステムを使って、ハードウェア暗号化の利用など、ビジネスクリティカルなデータの保護を改善できる他、安全な認証とユーザの身元の保護を強化するとともに、接続されたコンピュータネットワーク内での通信の安全性を改善する。

また、最高水準のセキュリティ試験にも合格し、犯罪者の攻撃に対する耐性を立証している。セキュリティの国際規格である「Common Criteria」に加え、TCG独自のコンプライアンス試験に基づき認証を受けている。さらに、16ビットセキュアマイコンと同じく独自のSOLID FLASH技術を基盤としている。Microsoft Windowsのハードウェア認証基準を満たすとともに、GoogleからはChrome OSでの使用について推奨を受けている。この他、主なオープンソースOSにも対応している。

なお、パッケージはTSSOP-28もしくは5mm角のVQFN-32。対応温度範囲は-20℃~80℃と、-40℃~85℃の2種類が用意されている。「SLB9645」はすでに量産が開始されている。「SLB9660/665」はサンプル出荷が開始されており、量産は2014年早々を予定している。