IDC Japanは10月3日、スマートフォンやタブレット端末、PCの家庭ユーザー利用実態調査の分析結果を発表した。一般家庭のデバイス所有率は、スマートフォンが49.8%、タブレットが20.1%、PCが97.0%となっている。
PCの所有率が非常に高い結果となっているが、IDCは「Web調査であったため、所有率が高く出た」としている。
スマートフォンは、若年層ほど所有率が高くなる一方、高年齢層では所有率が低く、「高年齢層にとっては、フィーチャーフォンが依然としてコミュニケーションの中心となっている」(IDC)という。
また、タブレットは、PCやデジタル機器に強い興味を持つ先端ユーザー層を中心に購入されており、40歳台が所有のピークとなっている。このことから、タブレットはまだ普及の初期段階にあるとIDCでは分析している。
各デバイスの利用用途や、使用しているアプリケーションを分析すると、スマートフォンは、空き時間の利用やリアルタイムに情報を得るために利用されていることが明確となった。このため、アプリケーションは電子メールやSNSの利用が中心となっている。
FacebookやTwitterなど広く伝達されるパブリックSNSと、LINEなどプライベートな範囲で情報を伝えるプライベートSNSでは、プライベートSNSの利用度がより高い結果となった。プライベートSNSでは、メールに近く、よりパーソナルな使い方が多いため、パブリックSNSよりも利用率が高いと考えられる。
タブレットは、気軽に機器を利用して情報を確認する用途で利用されており、ビデオ視聴や電子書籍の利用が特徴的なアプリケーションであることがわかった。
一方でPCは、処理の正確性を求めるアプリケーションを利用するために使われており、オンラインショッピングや文書データの作成と更新など、スマートフォンやタブレットに比べて、より大画面で効率良く作業を行う用途で使われることが特徴的だという。
このように、ユーザーはそれぞれの場面や用途で最適な機器を使い分けていることから、それぞれの機器がユーザーにとって重要であることが明確になっている。
今回の調査では、PCの購入を検討したユーザーのうち、52.9%が最終的にタブレットを購入しているという。IDCでは、タブレットの持ち運びやすさと低価格化がその要因とみている。また、30歳台以下と60歳台以上のタブレット所有者は、PC利用頻度が減少した場合やWebやSNSの利用が中心である場合はタブレットで十分であると考え始めているという。
IDC JapanのPC、携帯端末&クライアントソリューション シニアマーケットアナリストである浅野 浩寿氏は、「現在のタブレット端末は、PCなどデジタル機器に興味が高い先端ユーザーが購入しているが、外資系ベンダーなどのブランド認知度は低い。今後、タブレット端末の低価格化と共にベンダーのブランド認知度が高まり、そのポジショニングが明確になっていくと更に市場が拡大するであろう」と分析している。