米ウォルサム研究所ペット栄養学センターは10月3日(米国時間)、授乳中の母猫は、総カロリー消費量が増えるだけでなく、子猫たちへの授乳の必要に合わせて食事内容を変化させることが研究で明らかになったと発表した。授乳中の猫は、生理学的要求を満たすために、タンパク質、脂質、炭水化物の主要栄養素摂取量を自分で調整できるという。

同研究所は、メスの成猫17匹にタンパク質、脂質、炭水化物の異なる比率を持つ3種の総合栄養食のウェットフードを準備し、妊娠期間中と授乳時の食事内容の変化を研究した。

妊娠期間中は、猫は総エネルギー摂取量を増やし、タンパク質と脂質の摂取量にも増加が見られたという。一方の授乳時は、4~5匹という多数の子猫を生んだ母親の脂質からのエネルギー摂取がさらに増加し、タンパク質と炭水化物の摂取割合は減少したことがわかった。総脂質摂取量は多数の子猫に授乳する母猫で3倍、1~3匹の少数の母猫で2倍にそれぞれ変化したという。

非繁殖期の成猫は、1日に消費する炭水化物の量に上限があることはすでに明らかになっている。猫の炭水化物消費の上限は、一日当たり約20gであることから、同研究所は猫が妊娠・授乳中にタンパク質・脂質の摂取量を増加させながらも、炭水化物の摂取量は一日当たり20gの上限を超えないことを示した。

同研究所の主任研究員であるエイドリアン・ヒューソン‐ヒューズ博士は、「人間と同様に猫も妊娠・授乳期に多くのエネルギーを必要とすることは驚くことではありません。しかし本研究では、特に多数の子猫に授乳している母猫は、食餌のタンパク質、脂質、炭水化物の割合を変えるために食べるものを選択していることも示しているのです」と述べている。

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