その国ならではの"クリエイティビティー"を感じたいのなら、やはり美術作品を多く保存している美術館を訪れるのが手っ取り早いでしょう。日本では近年、新たに開館したり、リニューアルオープンする動きが見られますね。
さて、そんな日本の美術館は、外国人の方々の目にはどのように映っているのでしょうか。今回は、日本在住の外国人20名に、「日本で好きな美術館はどこですか?」という質問を投げかけてみました。
■国立新美術館です。建物のデザインが良いと思います。(シリア/30代前半/男性)
■国立新美術館、1カ所でいろんな作家に出会えるからです。(韓国/30代後半/女性)
東京・六本木にある国立新美術館は地理的にも外国人に身近なのかもしれません。2007年1月に開館し、モダンな建築物としても人気を博しています。設計を行ったのは、世界的な建築家 黒川紀章氏。うねるようなガラス張りの概観が特徴的で、美術館としては同氏が最後に手掛けたものと言われています。館内にあるミュージアムショップも人気です。
■東京国立近代美術館。収蔵作品もですが、建築や清澄庭園などの周囲の環境も好きです。(オランダ/30代前半/男性)
東京都千代田区北の丸公園内にある東京国立近代美術館は、絵画・彫刻・版画・写真など9000点を超える近代・現代美術作品を収蔵しています。作品の常設展示を初めて行った美術館であり、日本の美術館運営に初めて「美術品収集」をもたらしたと言われています。
■三鷹の森ジブリ美術館。宮崎駿監督の作品が展示されているから。(インドネシア/40代前半/女性)
東京都三鷹市にある三鷹の森ジブリ美術館は、『風立ちぬ』公開後、監督引退を発表した宮崎駿氏が館主です。これまで、『天空の城ラピュタ』(1986年)、『千と千尋の神隠し』(2001年)、『崖の上のポニョ』(2008年)など、ジブリの代表作などをテーマにした企画展を数多く開催してきました。宮崎氏は公式ウェブサイトの中で、「みるだけでも楽しく、つくる人間の心がつたわり、アニメーションへの新しい見方が生まれてくる場所をつくりたい」と、この美術館にかける思いを語っています。
このほかにも、
■森美術館です、立派なところにあるので。(中国/20代後半/女性)
■国立西洋美術館、モネの絵が好きです。(ペルー/40代前半/女性)
■出光美術館、東京近代美術館。行きやすいからです。(ロシア/20代後半/女性)
といった声が聞かれました。
日本には様々な時代の美術作品を取り扱う美術館や、地域振興の性格も帯びた芸術祭などがあります。外国人の方にもっと日本ならではの芸術を親しんでもらえると嬉しいですね。