NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)は10月2日、宮城県石巻市において、広い範囲から災害関連情報を収集でき、災害時には住民に対して高い精度の災害関連情報を多様なメディアを通して一括配信可能な「災害に強い情報連携システム」を構築したと発表した。

石巻市が2013年10月6日に開催する平成25年度石巻市総合防災訓練において初めて利用され、同日より運用を開始する。

「災害に強い情報連携システム」イメージ図

同システムは、「情報集約機能」、「情報配信機能」、「住民安否確認機能」、安否確認機能とも連動する「避難者管理機能」、自治体職員の参集状況を確認できる「職員参集機能」、消防庁のJアラートなど外部システムと連携し効率的な情報収集を可能とする「外部システム入力機能」の6つの機能をもつ。

「情報集約機能」は、石巻市職員や各種公共機関、各種事業者などの情報提供者が、施設やライフラインなどの被害情報や避難所の運営状況に関する情報、災害交通情報などを本システムに入力でき、かつそれらを災害対策本部が一元的に精査・集約して他情報との整合性を評価のうえ精度を向上させ、関係者間での共有や住民への配信に活用できる。

また、災害の通報に対して、自治体職員が行った対応をシステムに登録することにより、対応状況の追跡や、職員間でのリアルタイムな共有が可能。

「情報配信機能」では、住民に提供すべき情報を公共情報コモンズや、登録されたメールアドレス、Twitter、Facebook、自治体のホームページ、デジタルサイネージなどの多様なメディアに一括して配信を行う。また、Jアラートなどの緊急度の高い情報は自治体職員が対応できなくても自動的に住民へ配信する。

さらに、「APPLICと公共情報コモンズの情報項目・データ形式に準拠」、「機能ごとに独立したシステム構成とオープンソース活用により柔軟な利用が可能」といった特長がある。

6つの各機能がそれぞれ独立・連携しているシステムであるため、特定の機能の部分的な変更や汎用的インタフェースを持つ既存システムとの接続も容易に実現可能で、オープンソースを活用し、導入コストの負担も軽減している。