富士通は10月2日、世界最高クラスの高速3D CADエンジンを搭載した、機械装置設計向け3D CAD「FUJITSU Manufacturing Industry Solution iCAD SX」の最新バージョン「iCAD SX V7L3」の販売を開始したことを発表した。
同製品は、大量の鋼材が用いられている生産設備の架台やプラントの鉄骨向けに、鋼材設計に特化した機能を搭載。これにより、装置内の部品形状を参照しながら鋼材を自由に配置することができるようになり、鋼材の接合部も簡単に処理することが可能となるため、設計アイデアを素早く具現化することができるようになるという。また、同技術と従来からの超軽量化技術を組み合わせることで、部品数の多い大規模な機械設備でも、鋼材レイアウトと周辺機器を同時に検討することが可能になるため、設備全体を確認しながら無駄なスペースを詰めることができるようになり、設備の小型化を図ることが可能になるという。
また、従来、設計から製造部門に加工を依頼する場合、3Dデータを2Dに落とし込んだ紙図面が必要となり、それが負担となっていたが、今回、同製品では単一部品の加工に必要な寸法を一括表記できる機能を強化、複数部品にも表記できるように対応が図られた。さらに、製造部門がわかりやすい図面の向きになるよう、モデル形状から図面の向きを自動で判断する機能も開発。これらの機能により、図面化処理後の追記や修正作業を減らすことが可能となり、出図納期の短縮を図ることができるようになったとする。
加えて、機械設計と電気設計の連携強化に向け、機械設計が扱う3Dモデルと、電気設計が扱う回路シンボルとの連携を実現。これにより、設計途中の3次元電装モデルから回路シンボルを抽出し、そのまま回路設計で活用することが可能となったほか、回路図内のシンボルから3Dモデルを抽出し、電装部品のレイアウト検討を3次元上で同時に行うことも可能となっており、情報不足による不具合の削減ならびに電気設計の検討期間短縮を図ることが可能になるという。
こうした機能を活用することで、部門間の情報伝達漏れやミスの防止、実機手戻りの削減などが実現されることとなり、設計工数は従来比で約80%削減(架台30部品の場合。従来はモデルの作成に60分を所要していたが、同製品では8分での作成を実現できたという)できることが確認されているほか、設計者は設計検討に専念することができるようになるため、開発期間の短縮と品質向上が実現され、短TAT化も可能になるとしている。
なお価格は機械設計CADの「iCAD SX」が138万円(税別)から、オプションの「iCAD 電気回路設計」が30万円(同)からとなっている。また、同社では3D CADの導入を検討している人向けに、同製品の30日間無償使用可能な体験版と、業務改善のヒントが詰まった導入事例集を先着300名様にプレゼントするキャンペーン「iCAD SX V7L3発売記念キャンペーン 体験版・導入事例集プレゼント」も同日から11月15日までの期間限定で併せて開催している。