米IBMは10月1日(現地時間)、アイルランドのThe Now Factoryを買収することで合意したと発表した。IBMはこれにより通信事業者向け顧客データ分析などのソフトウェアを獲得し、モバイルファーストの下で提供するモバイル基盤ソリューション「IBM MobileFirst」を強化する。
The Now Facotryは2007年設立の非公開企業で、無線通信事業者など通信サービスプロバイダ向けソフトウェアを提供する。主力製品は、顧客の利用に関するデータをリアルタイムで分析できる「Insights」。アプリ、端末、サービスの種類などモバイルサービスのエコシステム全体での利用データから深い洞察を得られるとしている。約40社以上の顧客を持つという。
モバイル端末が生成するリアルタイムデータば急増しており、これらを収集して瞬時に処理したり、性能をモニタリングすることで顧客体験を理解することへのニーズが高まっている。サービスはクラウドべースで提供されており、ターゲットキャンペーンを打つなどのことができると述べている。
The Now Factoryの技術は買収後、IBMのソフトウェア事業部に統合される予定。IBMのビックデータプラットフォームに新しいタイプの分析ソリューションを加えるもので、ストリーミングデータのリアルタイム解析プラットフォーム「IBM InfoSphere Streams」をはじめ、「IBM PureData System for Analytics」「IBM InfoSphere BigInsights」などのビックデータ技術と併用できるという。
買収金額など詳細は非公開。買収は2013年第4四半期中に完了を見込むという。