日本気象協会はこのほど、気象観測用のXバンドMPレーダを熊本県内に新たに2基設置し、10月1日から観測を開始した。

XバンドMPレーダは、既存のレーダに比べて、高分解能・高頻度で観測可能な最新型レーダ。水平方向と垂直方向の2種類の電波を同時に送信・受信し、雨及び風の観測を三次元で行うことができる。これにより雨雲の発達と移動過程の予測が可能になり、局地的な豪雨の早期検知が期待されている。

現在、河川管理や防災活動などに役立てる目的で国土交通省がXバンドレーダネットワーク「XRAIN」を整備しているが、このネットワークは熊本県では北部しかカバーしていない。

このほど熊本県内に導入されたレーダは、従来のものよりも小型で設置が容易になっている。このレーダにより、正確な降雨分布を捉えることが難しい山間部でも、的確な降雨分布を把握できるようになるという。

市房ダム監視用に設置されたレーダ

観測範囲 ※赤色は半径30km

日本気象協会は今後、XバンドMPレーダの観測情報をもとに、気象現象の解明や予測精度の向上、防災や交通機関の運行管理に役立つ情報の提供を目指すとしている。