NTTデータは10月1日、サーバールームの入退室管理などをはじめとして総合的なセキュリティ管理をサポートするトータルマネージドセキュリティサービス(TMSS)のさらなる強化を目的として、専門組織「フォレンジック・ラボ」を設立する。

同社グループでは、情報システムの運用・監視サービスや、サイバー攻撃などのセキュリティインシデントに対して適切な対応を行うインシデントレスポンスサービスを提供している。

しかし、サイバー攻撃は高度化しており、攻撃手法や被害の特定が困難になりつつある。また、正規のアクセス権が用いられる内部不正への対応も大きな問題のひとつになっている。

近年は、攻撃を受けたという事実の証明や、情報漏えいを原因とする訴訟への対応が必要となるケースもあり、インシデント発生原因の特定や被害範囲の特定、不正に関する証拠の保全といった活動の必要性も高まっている。

このような現状を踏まえ、同社はこれからのセキュリティ対策について、インシデントの防止のみを重視した従来のものでは不十分であるとして、「フォレンジック・ラボ」を新たに設立する運びとなった。

"フォレンジック"は、不正行為に関する電子的な痕跡を、裁判などでの証拠として扱うために必要な科学的調査手法や技術を指す。「フォレンジック・ラボ」では、フォレンジックに関する技術開発とともに、サイバー攻撃や内部不正の予兆検知などに関する技術開発を行い、TMSSの強化をはかるという。

TMSSとフォレンジック・ラボの関係

同社は今後、フォレンジックサービスを加えたTMSSの展開を進め、2016年にグローバル市場で100億円の売り上げを目指すとしている。