ロームは9月26日、スマートフォンやモバイル機器向けのワイヤレス給電受信用制御IC「BD57011GWL」を開発したことを発表した。
同製品は、WPC(Wireless Power Consortium)の最新Qi規格Low Power Ver1.1に準拠したもので、先端BiC-DMOSプロセスを採用することで、MOSFETのオン抵抗を抑えることに成功。これにより1チップながら、従来品と比較した場合で給電時の温度上昇を約75%に低減しつつ、実装面積の削減を可能としている。
また、従来からQi規格では、充電の際、端末が給電装置の中心に設置されていなければ、充電効率が低下してしまうという課題があり、同製品ではこの解決に向け、「位置ずれ検知機能」を搭載。これにより端末の位置ずれに対してアラーム出力が可能となり、充電の高効率化が可能になったという。
さらに最新Qi規格では搭載が義務付けられた「FOD(Foreign Object Detection/異物検出機能」として、独自のアナログ技術と、グループ会社であるラピスセミコンダクタのデジタル技術を組み合わせることで、これを実現。実際には、受信側で電力損失の計算を行う際に、受信セットごとに異なる損失誤差の微調整を外付け抵抗で設定できるため、フレキシブルかつ高精度のFODを実現することが可能だという。
なお、同製品は2013年11月よりサンプル出荷(サンプル価格500円)を開始し、2014年2月から当面月産50万個の体制で量産を開始する予定と同社では説明しているほか、Qi規格の拡張に対して今後、送信用の制御ICと市場拡大に伴うMedium Power(5W~)製品の開発も行っていく予定だとしている。