ルネサス エレクトロニクスは9月25日、圧力や温度や近接などの各種センサモジュール、血圧計や血糖値計などのヘルスケア機器市場に向けて、LCD表示機能とUSBファンクション機能と12ビットのA/Dコンバータを1チップに集積したマイコン「RL78/L1C」シリーズを製品化したことを発表した。
同シリーズは、セグメント表示方式のLCDパネルを制御するマイコンで、RL78ファミリの低消費電力性能を活かし、LCD駆動時に従来品「78K0R/Lx3」比で消費電流を約30%削減することが可能なほか、USB動作時にも従来品比で約40~60%の消費電流削減を可能とした。また、時計動作時の消費電流は業界最小クラスの0.62μAを実現しており、LCDパネルを非表示にした待機時の電流の削減も可能となっている。
さらに、USBファンクション機能と12ビットのA/Dコンバータを搭載することで、外付け専用ICが不要となるため、システムコストを約20%削減することが可能となったほか、USB BC1.2仕様に準拠しているため、バッテリーへの充電電流をUSB2.0対応製品の3倍となる最大1.5Aにできるようになる、急速充電を実現することも可能となっている。
なお、同シリーズは端子数が80/100ピンのパッケージ、64KBから256KBのフラッシュメモリを内蔵する計40品種が用意されており、USB BC1.2仕様に準拠したUSBファンクション機能搭載品はそのうち20品種となっている。すでに量産出荷を開始しているが、サンプル価格は、ROMが256KB、RAMが16KB、USBファンクション機能搭載、端子数が100ピンの場合で350円だという。同社では、2014年には月産100万個の生産を計画していると説明している。