National Instruments(NI)の日本法人である日本ナショナルインスツルメンツ(日本NI)は9月19日、再構成可能I/O(RIO)アーキテクチャ「NI LabVIEW」向けハードウェアドライバ機能およびモジュールを発表した。
このうち、拡張ハードウェアドライバ 「FPGA extensions」 は、オープンFPGAの柔軟性に、業界標準の計測器ドライバに求められる互換性を組み合わせた、NI RF信号アナライザ/RF信号発生器用ドライバの新しい拡張機能となっている。特に、昨年発表されたSoftware-Designed Instrument(ソフトウェア設計型計測器)であるベクトル信号トランシーバ(VST)「NI PXIe-5644R」の柔軟性と拡張性をさらに強化し、そのメリットをより活用できるようになる。従来のRF計測器にも対応した標準ドライバを使用することで、既存のプログラムを流用しながら、オープンFPGAを使用できる。VSTに搭載されているFPGAを使用すれば、FPGAのプログラミング経験がなくても、追加で処理や制御をプログラミングして、アプリケーション要件をさらに十分に満たせるようになる。すでに、ベクトル信号トランシーバを使用している場合には、ドライバをアップグレードし、アプリケーション別のFPGAコードと標準の計測器ドライバのコードと組み合わせることもできる。
Hittite Microwaveでは、従来のラックアンドスタック型のテストシステムを使用していた際に70秒以上かかっていたLTE向けRF ICのテストを、VSTを使用することで6秒以内に短縮。これに加え、新しい拡張機能である「FPGA extensions」を使用することにより、テスト時間が1.2秒にまで短縮され、処理速度はラックアンドスタック型の約60倍になったという。
PXI MultiComputing(PXImc)アダプタモジュール「NI PXIe-8383mc」は、複数の独立したプロセッサ間で高速で低遅延なデータ転送を可能にするPXI MultiComputing(PXImc)技術を採用している。x8 PCI Express 2.0リンクを使用し、片方向で最大2.7Gbpsのデータスループットを実現。同モジュールを使用すれば、2つのPXI Expressシャーシを接続することや、PXI Expressシャーシを外部のコンピュータに接続することが可能となる。また、わずかマイクロ秒の遅延で、1秒あたり数Gバイトの物理的スループットでデータを転送できるようになるため、システム内の複数のCPUに処理を分散させることが可能になる。
「NI PXIe-7975R」は、最新の「NI FlexRIO」のFPGAモジュールで、XilinxのDSP向けFPGA「7」シリーズを採用しており、データ転送の帯域幅が1.6Gbpsで、従来のFPGAモジュールの2倍となっている。また、オンボードDRAMが2Gバイトで、従来の4倍となっている。同FPGAに統合された1540個のDSPスライスは、アナログFPGAベース計測器でよく見られる、デジタルフィルタ、カスタム信号処理、および高速フーリエ変換(FFT)ロジックの実装に使用でき、自動テストおよび高性能な組み込みアプリケーションに最適となっている。