大阪ガスは9月19日、複数の機器やセンサを無線を用いて連携させ、それぞれを協調制御する低消費電力無線ネットワークモジュールを開発したと発表した。
従来、計測や制御用途で使用する無線モジュールは、長時間の電池駆動が困難な他、制御用ユニットが別途必要だった。これに対し、今回開発したモジュールは、市販のコイン電池を利用して、10秒間隔で10年間の通信が可能という長時間の電池駆動、および各モジュール内に制御用ロジックを組み込むことで、簡易な制御についてはパソコンなどの制御用ユニットを不要にすることを実現した。また、各モジュールが中継を重ねることで長距離通信が可能になるマルチホップ機能、複数ルートを形成するマルチルート機能、つながりが弱くなると迂回経路に自動で切替するダイナミックルーティング機能といった中継機能を有しており、接続安定性を高めた。さらに、従来の1/10程度のサイズとなる切手2枚分まで小型化している。この他、既存のセンサや機器への後付けが容易で、異なるメーカー間の機器の連携制御も可能となっている。
同モジュールは、省電力の無線システムであることから、配線工事の必要がなく、既設の建物への後付けが容易に実現できるため、今後成長が見込まれるBEMS分野などへの有効活用が期待できる。大阪ガスでは、同モジュールを自社製BEMS「もっとsave」への導入を検討している。また、エアコンやテレビなどの家電への後付けが容易にできるため、将来的には、家庭用のHEMSやホームセキュリティサービスなどへの導入も検討している。
なお、同製品は丸紅情報システムズが販売と受注生産をすでに開始している。