NXP Semiconductorsは、独自技術である「SchottkyPlus」を採用した、高性能30V MOSFETプラットフォーム「NextPowerS3(S3:Superfast Switching with Soft recovery)」を発表した。

同製品は、通常、ショットキーまたはショットキー・ライク・ダイオード内蔵のMOSFETに関連して発生する高リーク電流の問題を除去し、高周波、低スパイクの性能を実現するMOSFETで、テレコム用やクラウドコンピューティング向けの高効率電源や高性能携帯コンピュータ、充電式電動工具などのバッテリ駆動型モーター制御用など、多彩な用途に適していると同社では説明している。

従来、高速スイッチングのMOSFETを実現しようとすると、ゲートグリッチやシュートスルーの発生と連動して生じるスイッチノードでの電圧スパイクの問題があり、EMI(電磁ノイズ)の増加や信頼性への懸念があった。そうした解決策の1つとして、MOSFET構造にショットキーやショットキー・ライク・ダイオードを内蔵したソリューションが考えられてきたが、ショットキーダイオードは気温が上昇すると特にリーク電流が高くなり、効率性やバッテリ寿命、製造工程での欠陥スクリーニング能力の低下を招くといった課題があった。SchottkyPlus技術は、そうした課題を解決できるもので、これにより同製品は、高速かつソフトリカバリ特性を備え、高効率、高電力密度を実現すると同時に、スパイク電圧を制御しリーク電流を1μA未満に抑えることを可能にしたという。