NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)は9月19日、データセンター関連サービスを提供しているグループ会社「Gyron Internet Limited (以下、Gyron)」を通じて、「イギリス ヘメル・ヘムステッド 3 データセンター」の建設を開始すると発表した。

「イギリス ヘメル・ヘムステッド 3 データセンター」外観予定図

本データセンターは、ロンドンの北西部に位置するヘメル・ヘムステッドで3番目のデータセンターとして、約10,000平方メートルのサーバルームを2015年度第一四半期より提供する予定。これにより、NTT Comが英国で展開するデータセンターのサーバルーム総面積は従来の約2.5倍に拡大。

また、同データセンターとNTT Comが提供する他データセンターとの間を大容量光ファイバーで接続することにより、顧客はNTT Comがグローバルに展開するデータセンターサービスやクラウドサービスをシームレスに利用可能。

英国では、特にテクノロジー、メディア、通信業界のデータセンター需要が旺盛で、2012年の市場は前年比20%超と堅調に拡大しており、NTT ComのデータセンターもSalesforce.comをはじめとする多くのグローバルサービスプロバイダが利用。また、世界8カ国でNTT Comが提供中のBizホスティング Enterprise Cloud(略称:BHEC)やコロケーション、自社運用システム(オンプレミス)を組み合わせたハイブリッドクラウドの需要も年々高まっているという。

データセンターの特長は、最新の省エネ技術により、PUE1.2以下という英国においては最高レベルの極めて高い電力使用効率を実現した点。具体的には、床下からではなく、壁全面から冷気を吹き出す壁面吹き出し空調、煙突状に上部へ排熱するチムニーラックなどを組み合わせて実現する。

また、消費電力の大きい冷水器(チラー)を排したチラーレス空調システムを英国で初めて採用、高効率なシステムの採用により、電力設備を増設することなく、本データセンターからICT機器へ供給可能な電力量を約30%増強することが可能。消費電力の大きい冷水器(チラー)を排したチラーレス空調システムを英国で初めて採用。高効率な本システムの採用により、電力設備を増設することなく、本データセンターからICT機器へ供給可能な電力量を約30%増強することが可能だという。

設備面では、モジュール設計思想を取り入れ、サーバルーム単位に電力・空調・通信設備が柔軟に拡張できるだけでなく、冗長度を自由に設定。サーバールームを顧客の要望に応じてTier IVレベルに変更することも可能。また、高さ4mの敷地外周フェンスや自動車の突入防止策など標準レベル以上のセキュリティ、モジュールごとに備えられた防火設備などにより、信頼性の高いデータセンターサービスを提供する。