NECは9月19日、海外向け超小型マイクロ波通信システム「iPASOLINK」の屋外無線装置(ODU:Out Door Unit)のラインアップを強化し、世界最高レベルの送信出力を実現する新製品を発表した。出荷時期は10月末を予定している。

GaN素材のICを搭載したiPASOLINK向け屋外無線装置

新製品は、NECが開発した窒化ガリウム(GaN)素材のICをパワーアンプに採用することで、従来製品と比較して約3倍の送信出力を実現した。また、送信出力や送信距離に応じて消費電力をコントロールする機能を搭載することで、既存製品と比較して最大50%の低消費電力も実現している。なお、窒化ガリウム素材のICをNECのマイクロ波通信装置に採用するのは、今回が初の試みであるという。

同ODUと、NECが2011年に開発した2048QAM超高多値変調電送技術を搭載した屋内無線装置(IDU:In door Unit)を組み合わせることで、非圧縮形式で最大1Gbpsの長距離伝送が可能となる。

スマートフォンやタブレットの普及に伴う通信容量の急増に対応するため、通信事業者はLTEを導入し、無線容量の効率化・大容量化を進めている。NECはその需要に対応するため、1987年のPASOLINKシリーズ発売開始から世界各国の現場で培ってきた経験を生かし、今回の高効率・高性能ODUを開発したとしている。