NECディスプレイソリューションズは9月17日、医療用画像表示向けとして、解像度約200万画素(1200×1600画素)対応の21.3型カラーTFT-LCD「MultiSync MD210C2」を発表した。
近年の医療現場では、CTやMRIなどの装置により撮影された画像を立体画像化し、カラー表示できるアプリケーションソフトが開発され、カラーの診断画像を表示できるTFT-LCDのニーズが高まっている。
同製品は、キャリブレーション輝度400cd/m2で、4万4000時間の長時間輝度保証を行っており、長期間にわたって安定した状態で使用可能、医療現場からの高信頼性の要求に対応する。また、接続PCのスクリーンセーバ機能が作動した時に、バックライトを消灯させ、スクリーンセーバから復帰した時にバックライトを点灯させる独自の「Power Save Management Software」に対応させた。これにより、ディスプレイの消費電力を削減するとともに、バックライトの長寿命化および表示品質が維持できる。 さらに、特定のアプリケーションに連動させてバックライトの点灯、消灯させることもできるので、同一PC内に複数のアプリケーション、例えば、電子カルテ表示用と医用画像表示用がインストールされている場合でも、起動されるアプリケーションにより画面をオフにすることができる。
加えて、診断画像データを時間が経過しても、同じ画像品質でディスプレイに表示させるため、定期的な表示品位確認(不変性試験:表示品質が変わっていないかの確認試験)を行う品質管理ソフトウェア「GammaCompMD QA」に対応している。ガンマ特性や白色点、輝度などのキャリブレーションの実施および、その履歴管理なども簡単にできる。この他、ディスプレイの前から離れると自動的にそれを感知して、画面オフ、または輝度設定を80cd/m2にするモードを搭載。ディスプレイの前に戻れば自動的に復帰するので、特別に意識することなく一歩進んだ節電環境を提供している。
パネルはIPS液晶を搭載、最大輝度が760cd/m2、コントラスト比が1400:1。約10億7374万色表示に対応することにより、モノクロ液晶ディスプレイにも劣らない性能で、グレースケール画像もなめらかな階調表現で鮮明に表示できる。バックライト光源には、白色LEDを採用することで低消費電力化を実現し、水銀レスによる地球環境負荷の低減に寄与するとしている。
なお、価格はオープン価格。10月30日より出荷を開始する。年間500台の販売を目指している。