アドビ システムズは、公式ブログ「Creative Cloud Japan Official Blog」内にて、2013年5月に開催した「Adobe MAX 2013」で発表したクラウドベースのデジタルペン「Project Mighty」とデジタル定規「Project Napoleon」について、技術探索フェーズから製品計画フェーズに移行したことを発表した。両製品とも、現段階では2014年上半期の出荷を予定している。
クリエイティブツール「Project Mighty」と「Project Napoleon」は、ペンと紙が持つ正確さや表現力、および使いやすさを、デジタル製品とCreative Cloudが提供するすべての利点と組み合わせる目的で開発が進められている。「Project Mighty」は自然で表現力豊かなラインを描画することのできる感圧ペン。この製品をCreative Cloudに接続することで、ユーザーが普段使っているブラシやカラーなどを、場所や時間を選ばず、異なる機器の間でも利用できる。
また、「Project Napoleon」は、短いデジタル定規。この製品を使い、位置や角度を自然な形で示すことにより、直線や円弧を「Project Mighty」でスムーズに描くことができる。Mighty単体でも、ソフトウェア補正で直線や円弧を描くことは可能だが、それでも物理的なデバイスで直線を引くという感触が大切ではないかというコンセプトから生まれたツールだという。両製品の出荷に向け、同社は"アプリケーションとサービスを組み合わせたクリエイティブなデバイス"というビジョンを共有するAdonitと提携するとのこと。
加えて、この発表に際して、これらのハードウェアとソフトウェアの組み合わせによる体験を推進する新しいプロジェクト「Project Parallel」と「Project Contour」のプレビューも行われた。「Project Parallel」はProject Napoleon向けに設計・開発された、描画用のタッチアプリケーション。「Project Contour」はいわば"形状を取り扱うAdobe Kuler"というべきもので、写真やオブジェクト、シェイプなどをiPhoneに取り込み、iPad上でNapoleonを使うことにより、建築スケッチ、作図、アイデアだしなどを簡素化することができる。
なお、同社がハードウェアの開発に着手するのは、これらのクリエイティブツールが初めて。同ブログ内では、「私たちの本来の仕事はソフトウェアのデザインであるため、このハードウェアのファミリーがソフトウェアにどのような影響を及ぼすかについても検証しています」とコメントが掲載されている。ちなみに、同製品のWebサイトにてメールアドレスを登録することにより、製品の最新情報が送信されるということだ。