東京都・渋谷のギャラリー「NANZUKA」は、段ボールによる仏像制作で注目を集めている彫刻家・本堀雄二の個展「風神雷神」を開催する。開催期間は10月19日~11月16日(日・月・祝は休廊)、開場時間は11:00~19:00。入場無料。
同展では、使用済みの段ボールや包装紙、プラスチック製の容器のふたなどを用いて、俵屋宗達の「風神雷神図」を再現した巨大なインスタレーションのほか、十二神将と四天王をシリーズで制作した小品の仏像群、阿修羅像などを発表する。
また、これらの仏像はすべて使い古しの段ボールで作られており、正面からは透過しているように見え、横から見ると段ボールの断片が立体的に浮かび上がる。本堀は日常生活の中で消費したものが再生されることに重要な意味を見いだしたが、それは仏教の輪廻転生の概念に近いものであり、用途を終えた素材から人々があがめる神仏を作り出す。阪神大震災を経験して以降、新しい材料を使うことに抵抗を感じるようになり、手に入りやすく加工も簡単な段ボールという素材にたどり着いた。
なお、本堀雄二は1958年兵庫県神戸市生まれの彫刻家。愛知芸術大学の彫刻科を卒業した後、長く地元神戸にて芸術大学を目指す若者の指導にあたりながら、作家活動を続けてきた。2009年の神戸ビエンナーレや2010年にINAXギャラリーで開催された個展において段ボールの仏像を発表して以降、その作品が注目されるようになる。そのほか、白金アートコンプレックスとアートフェア東京において開催された、山下裕二キュレーションよる二度の「シャッフル展」にも参加。同展がギャラリーでの初個展となる。