米Googleの「Street View」撮影車がWiFiデータを収集していた問題で、米連邦第9巡回控訴裁判所は9月10日、Googleの行為は連邦電話盗聴法の侵害にあたるとする一審の見解を支持する判定を下した。

この問題は、2010年にGoogleのStreet Viewサービス向けに画像を撮影する撮影車が、WiFiネットワーク上の暗号化されていないデータも収集していたことが明らかになったことを受けて始まった集団訴訟。

Googleは2007年から2010年の間、30カ国でこのようなWiFiデータを収集していたと認めている。容量にして600GB。Googleは当時、これについて「誤って」収集していたと説明した。

この集団訴訟で控訴裁の判事は、一般の人々がWiFiデータにすぐにアクセスできる状態だったというGoogleの主張に対し、「一般の人々のほとんどは、WiFiネットワーク上でやりとりされるペイロードデータを傍受、解読する専門知識がないことから、アクセスできる状態だったとはいえない」としている。また、「もし一般の人々が暗号化されていない隣人のWiFiネットワークに接続することが珍しいことではなかったとしても、一般の人々はネットワーク上の他のデバイスが送受信するデータを誤って傍受、保存、解読することはない」との見解を下している。

この問題は世界各地で訴訟が起こっており、例えば米国では38の州と700万ドルの和解金で和解に至った。最初にWiFiペイロードデータ収集を発見したドイツのプライバシー当局は4月、14万5000ドルの罰金支払いを命じている。