MathWorksは、MATLABおよびSimulinkプロダクトファミリの最新版となる「リリース 2013b(R2013b)」を発表した。
同リリースでは、解析、設計、コード生成、実装などのための新機能が追加されたほか、PolySpaceへの2つの新製品の追加、79製品のアップデートなどが施されたという。
MATLAB、およびSimulinkの主な特長は以下の通り。
MATLABプロダクトファミリ
- MATLAB:データ混在型の表形式のデータの型、および順序付けられたカテゴリカルデータと順序付けられていないカテゴリカルデータ
- MATLAB Compiler:改良されたMATLAB Compilerアプリケーション、およびバージョン互換のMATLAB Compilerランタイムのインストール時の自動ダウンロード
- Statistics Toolbox:線形混合効果モデル
- Database Toolbox:ネイティブODBCドライバを経由したODBC接続への高速アクセス
- Instrument Control Toolbox:SPIプロトコルを使用した集積回路との通信
- Financial Toolbox:平均絶対偏差(MAD)ポートフォリオの最適化
- Trading Toolbox:CQG統合クライアントAPIおよびインタラクティブブローカーTWS APIのサポート
- Image Processing Toolbox:PCTを使用した、bwmorph、edge、imresize、medfilt2を含む22種類の関数のGPU による高速化
- Mapping Toolbox:OpenStreetMapやその他のソースの動的ベースマップを使用したWebマップ表示
Simulinkプロダクトファミリ
Simulink
- エディター:透過的なサブシステムプレビュー、線交差、「コメントスルー」ブロックなどの機能強化
- システムブロック:SimulinkモデルにMATLABシステム オブジェクトを組み込むための新しいブロック
- ハードウェア接続:Mac OS X、Arduino Ethernet Shield、およびArduino Nanoハードウェアのサポートを含む、Arduinoの機能強化
-
モデル:単精度浮動設計のネイティブモデリング
Simscape
-
熱液体システムをモデル化するためのブロックライブラリ
SimPowerSystems
-
Simscapeの機能を完全に利用する、第3世代の技術に基づいたブロックライブラリ
Simulink Verification and Validation
MATLAB コードに関する要件のリンクおよびトレーサビリティ
Polyspaceプロダクトファミリ
- Polyspace Code Prover:ソフトウェアでランタイム エラーの有無を証明するための新製品
- Polyspace Bug Finder:静的解析によりソフトウェアの欠陥を特定するための新製品
MATLAB/Simulinkでの設計用システムツールボックス
- Phased Array System Toolbox:MATLAB Coderを使用したC/C++コード生成のサポート
- Computer Vision System Toolbox:カメラ キャリブレーション機能およびアプリケーション
コードの生成と実行
- HDL CoderとEmbedded Coder:Xilinx ZynqおよびZedboard向けの統合されたCおよびHDLコード生成とワークフローのサポート
- Simulink Coder:マルチレベルのパスワードで保護されたSimulinkモデルの作成
- HDL Coder:モデル参照ブロック用のユーザーが作成したMATLABシステムオブジェクトおよびインクリメンタルコード生成のサポート
- MATLAB Coder:64ビット整数、Embedded Coderを使用したソフトウェアインザループ(SIL)の検証、およびStatistics Toolbox内の確率分布のサポート
- Fixed-Point Designer:効率的なシミュレーションと64ビットプロセッサ用に生成されたコード向けの長整数型
- Simulink Code Inspector:Stateflowオブジェクトおよび標準的なアクション言語のサポート
なお、R2013bの動作環境は、OSがWindowsの場合、XP x64 Edition SP2/XP SP3/Vista SP2/7 SP1/8/Server 2012/Server 2008 R2 SP1および2/Server 2003 R2 SP2でSSE2に対応したIntel/AMDのCPU、Macの場合、Mac OS X 10.7.4+/10.8でIntel Core2世代以降のIntel CPUを搭載したもの、Linuxの場合、Ubuntu 12.04 LTS/12.10/13.04、Red Hat Enterprise Linux 6.x、SUSE Linux Enterprise Desktop 11.3+、Debian 6.xで、いずれもSSE2に対応したIntel/AMDのCPUを搭載したものとなっている。