ドリーム・アーツは9月10日、タブレット端末向け営業支援ソリューション「YUKARi」を発表した。YUKARiは、プレゼンテーションツールと業務機能(ワークステーション)が一体となったアプリケーションを顧客企業専用に作成し、マーケットプレイス経由で提供するというもの。アプリケーション生成機能や運用管理機能がSaaS化されており、ニフティクラウドの上で稼働する。

ドリーム・アーツ 代表取締役社長の山本孝昭氏

発表会に登壇したドリーム・アーツ 代表取締役社長の山本孝昭氏は、YUKARiの説明に際して、特にプレゼンテーションツールのビジュアルなUIを強調した。

「iPadを営業社員に配布する企業は多いが、ほとんどの場合、資料をPDFにして静的に表示する程度で、iPadの優れた操作性を活かしきれていない。対してYUKARiでは専用アプリにより、各種の情報をビジュアルに表現できる。まずは直観的なコンテンツで感情に訴え、クライアントの心を掴む。論理的な説明は、別途詳細な資料を渡して行えばよい」

YUKARiは、すでにドリーム・アーツの営業社員が使用しており、彼らの意見を汲み上げながらその活用法までも指南しているという。

山本氏はその例として、「営業先では、YUKARiの画面を一緒に見てもらえるよう、横に並んで座るように指導している。机を挟んで向かいに座るよりも堅苦しい雰囲気にならない」と説明。さらに「YUKARiのビジュアルな画面でさまざまな製品を紹介すれば、"こんなものもあるんだ"と話題が膨らむ。コンテンツは、みのもんたさんがワイドショーで使う紙芝居形式の資料程度の抽象度が効果的。動画も入れられるので、こちらも話題作りに重宝する」と続けた。

また、動画のポイントとして「15秒程度にとどめることが大切。20秒以上だと、営業先では長く感じてしまう」といったエピソードも披露。YUKARiにより営業スタイルが変わり始めていることを明かした。

YUKARiの主な機能

YUKARiのプレゼンテーション機能の画面は、横表示と縦表示で構成が異なる。横表示の場合、3×3の9タイルで構成され、各タイルを自由に結合してコンテンツを配置することができる。画面は複数作成でき、上下のスワイプで切り替えることが可能だ。

縦表示の画面は、インデックス表示部分とコンテンツ表示部分の2部構成。コンテンツ部分は大きな領域が確保されており、事例などでの活用を想定している。

YUKARiのデモの様子。左写真は最初に表示される画面。タイルをタップすると、該当コンテンツに遷移する。上下にスワイプすれば、次のトップ画面(右写真)に遷移する

事例の一覧表示画面。条件で絞りこむこともできる

事例の画面で企業を選ぶと概略が現れ、縦表示にすると詳細をが表示される

ドリーム・アーツが「ワークステーション」と呼ぶ業務機能には、通知/通達、行動予定、メール、社内SNSのほか、営業レポート作成機能や顧客情報検索機能、営業予算管理機能などが標準で搭載されている。データはニフティクラウド上で稼働するマネジメントサーバから取得するかたちで、マネジメントサーバと既存の社内システムを連携させることもできる。

ワークステーションのメニューは、画面左上のアイコンをタップすると表示される

営業レポートの作成画面

マネジメントサーバでは、Webベースの管理画面が提供されており、コンテンツ生成や端末/ユーザー管理などが行える。コンテンツは、画像や動画をアップロードし、リンク先、配置を決めるだけで生成可能。また、運用管理機能の1つとして、役職やエリアに応じて配信コンテンツを変える機能なども用意されている。

YUKARiの利用イメージ

アプリケーションの作成作業は、基本的にドリーム・アーツが担当する。簡易的に作成できる環境を揃えているだけに制作作業を顧客企業に任せることもできるが、「当社で蓄積したノウハウを活かしたベストプラクティスのアプリケーションを提供することで、導入効果を最大化できる」(山本氏)と説明。YUKARiに関して、「単なるアプリケーション/SaaSではなく、『Best Practice as a Service』」と表現した。

なお、制作過程では、画像や紹介文などを顧客から提供してもらう必要があるが、「顧客の負担が大きくなるようであれば、Webサイトの素材を拝借してこちら側でドラフト版を作ってしまうこともある」(山本氏)と言い、顧客に極力負担をかけず、かつ短期で稼働するサービスを目指しているとした。

価格は、初期費用がプラットフォームライセンス2000万円、コンサルティング/クリエイティブ費用が1000万円~。月額費用が、基本料80万円、クラウドサービスフィー50万円、デバイスサービスフィー5000円/1台となっている。

現在のところはiPad向けのみの提供となるが、Android、Windows8搭載タブレットにも順次対応させていく予定。