東京国立近代美術館、日本経済新聞社、NHK、NHKプロモーションは、多くの日本画家たちに大きな影響を与えた竹内栖鳳(たけうちせいほう)の過去最大規模の回顧展「竹内栖鳳展-近代日本画の巨人-」を開催している。開催期間は10月14日まで(月曜は休館、祝日の場合は翌火曜休、会期中に展示替えあり)、開場時間は10:00~17:00。会場は東京都・千代田区の東京国立近代美術館。入場は一般1,300円、大学生900円、高校生400円、中学生以下は無料。

《班猫》(はんびょう) 大正13(1924)年 重要文化財 山種美術館 9月25日~10月14日(東京展)、11月12日~12月1日(京都展)

《潮沙永日》大正11(1922)年 京都市美術館

同展は、代表作や重要作、長らく展覧会に出品されてこなかった作品約110点、素描などの資料約60点により竹内栖鳳の画業を通観することができる、1957年に開催されて以来の大規模な回顧展。また、京都の神泉苑に奉納されて以降、展覧会には初出品となる絵馬「龍神渡御の図」(1887年)をはじめ、「富士図」(制作年不詳、本間美術館)、「花に蔵」(1934年、個人蔵)など、古い図版では知られていたものの、実物を観られる機会がほとんどなかった作品も展示されている。また、同展は10月22日より京都市美術館に巡回する。

《絵になる最初》大正2(1913)年 京都市美術館

竹内栖鳳 東山、高台寺の自邸にて 1935年頃(71歳頃)

なお、竹内栖鳳は1864年京都生まれの日本画家。四条派の幸野楳嶺(こうのばいれい)に学ぶも、1900年にパリ万博視察のために渡欧した際に、現地で数々の美術に触れ、実物をよく観察することの重要性を実感し、画壇の古い習慣を打ち破ろうとした。京都画壇の近代化の旗手として、土田麦僊(つちだばくせん)をはじめとする多くの後進に影響を与えるなど、近代日本画史に偉大な足跡を残した。