電通パブリックリレーションズは、2013年3月、インターネット上で情報拡散をしたことがある人を対象に、インターネット上の情報拡散について調査を行った。その結果、4人に1人の割合で「まとめサイト」の情報を拡散していたことが判明した。

本調査は、インターネットの情報流通構造を把握するため、東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県・大阪府・京都府・兵庫県・奈良県の15歳以上69歳以下の男女600人を対象に行われた。特にまとめサイトの影響力を把握するため、まとめサイトの情報がどの程度信頼され、拡散されているのかに着目したという。

まとめサイトとは、事件・話題などをはじめとする特定の事象について、情報を収集・編集するWebサイトである。代表的なものに「NAVERまとめ」「2ちゃんねるまとめ(ブログ)」「まとめwiki」などがある。インターネットやソーシャルメディアの急速な普及に伴う情報量の爆発的な増加により、知りたい情報を探すのが大変になったことで、情報がまとまっているWebサイトのニーズが高まり、誕生したと言われている。

本調査において、どのようなインターネット上の情報を拡散(SNSなどのシェア機能を利用して拡散)するかという問いに対し、「友人のつぶやき、ブログ、SNSでの投稿」を選択したのは全体の60.8%、新聞社などのメディアが運営する「ニュースサイト」の情報は57.8%、Yahoo!やlivedoorなどの「ポータルサイト」の情報は53.7%、NAVERなどの「まとめサイト」の情報を選択したのは27.8%となった。

インターネット上でシェアしたことのある話題が掲載されていたサイト(複数回答)

拡散時に信用する情報ソースとしては「新聞社サイト」が38.0%、「Yahoo!」が34.8%、「ブログ」が30.3%、「2ちゃんねるまとめサイト」が22.2%、「NAVERまとめ」が20.0%という結果になった。また、どのような情報を拡散するかという問いに対しては、「事件・事故」(55.2%)、「日常生活の話題」(51.0%)、「笑えるネタ」(50.2%)が上位を占めた。

どのようなリンクが貼ってあったらシェアするか(複数回答)

インターネットで拡散することのある情報の内容(複数回答)

インターネット上で知ったニュース・情報をオフラインの口コミで他の人に伝えたことがある人は93.2%。オフラインで他の人からインターネット上のニュース・情報を知らされたことがある人は91.9%という結果になり、双方向の拡散が広く行われていることがわかった。さらに、ニュースや情報に接触した後、その情報についてさらに検索する行動は、「インターネット」が97.8%、「テレビ」が94.2%、「新聞」は80.1%となり、「インターネット」が最も情報収集に使われやすいメディアであることがわかった。

インターネットで知ったニュース・情報をオフラインの口コミで他の人に伝えることがあるか

ニュース情報接触後にインターネットでの検索行動をすることがある情報源

電通PRデジタルコミュニケーション室シニアコンサルタントの細川一成氏は「インターネット上の情報流通構造において、まとめサイトが信頼性、口コミ波及力の強さの両面において存在感を持つことが確認された。まとめサイトの存在感は、今後も強まる傾向にある。スマートフォンやタブレット端末、“キュレーションアプリ”の普及がこの傾向を後押しするポイントになる」と述べている。