ルネサス エレクトロニクスは9月9日、接続口とダウンストリームポートの2ポートを搭載したUSB3.0対応ハブコントローラLSI「μPD720211」を発表した。
近年、映像コンテンツや記録メディアの大容量化に伴い、インタフェースに対する高速化へのニーズが高まった結果、従来の転送速度480Mbpsを10倍に高速化したUSB3.0が規格化されている。最近では、USB3.0対応ホストコントローラ内蔵チップセットの登場により、PC、タブレットやデジタル家電などでUSB3.0が普及しつつある。このような中、PCなどの製品仕様に応じてUSB3.0のポート数を必要数だけを安価に増設したいというニーズが高まっている。また、PCなどに内蔵される製品には、待機電力の低減、小型基板への搭載が求められており、パッケージの小型化や周辺部品内蔵に伴う省スペース化などのニーズがある。一方で、PCや薄型TVなど、チップセットに内蔵されたホストコントローラのポートからUSB接続口となるコネクタまでの距離が長い場合は、電気信号が劣化することがあり、その対応が求められていた。
同製品は、8mm角の小型QFNパッケージの採用により実装面積を低減。また、周辺部品の3.3V電源を1.05Vに降圧するレギュレータやバッテリーチャージ規格に対応した高速充電サポート機能などの部品を内蔵したことにより、必要周辺部品を含めた総実装面積を減少させた。さらに、USB3.0規格に準拠していることを保障する認証を取得した4ポートのハブコントローラLSI「μPD720210」の機能・性能を継承。これにより、従来品と高い接続互換性を確保する2つのポートを有するとともに、省電力モード時の消費電力が約5mW、USB3.0動作時でも約350mWの低消費電力を実現し、システム構築コストの最適化および省電力化を図ったという。
なお、サンプル価格は250円。10月よりサンプル出荷を開始し、2014年2月から量産を開始する。2014年4月には、月産100万個体制を構築していく計画としている。