TOUGHPAD 4K UT-MB5

パナソニックは9月6日、世界で初めて4K解像度の20インチ液晶を搭載したタブレット「TOUGHPAD 4K UT-MB5」を発表した。発売時期は12月上旬で、標準モデルと、ICカードを利用して本人確認が行えるスマートカードリーダー対応モデルの2製品が提供される。

同製品は法人限定販売となっており、希望小売価格はオープン。市場予想価格は標準モデルが45万円、スマートカードリーダー対応モデルが48万円となっている。

また、オプションとして電子タッチペンも同時に販売される。希望小売価格はオープンで、市場予想価格は2万円。

同製品最大の特徴は、タブレットとして世界初となる4K液晶パネルの搭載だ。パナソニックが開発した1667万色表示の20インチ4K(3840×2560、アスペクト比15:10) IPSα液晶パネルを使用しており、会議などで囲んで利用するシーンでも全方向からしっかりと画像が見られる広視野角を実現している。マルチタッチの同時認識数は10点。

また、最新の4K液晶を搭載しながらも、重量を約2.35kgに抑え、厚さについても12.5mmを実現。パナソニックによると、同サイズのタブレットとしては世界最軽量、最薄だとしている。

「TOUGHPAD」の名前を冠していることからも分かるように、4KタブレットにはパナソニックがLet'snote、TOUGHBOOKシリーズを通して培ってきた堅牢設計の技術を採用。パナソニックでは、一般的な机の高さとされる76cmから4Kタブレットを底面落下させても、問題なく動作することを実験により確認しているという。また、非動作時ではあるものの、30cmの高さで26方向から落下させても問題がないことも確認している。

4Kタブレットに採用されているOSはWindows 8.1 Pro 64bitで、CPUはIntel Core i5-3437U vPro 1.90GHzを搭載。GPUはNVDIA GeForce 745M。

RAMメモリは標準モデルが4GB、スマートカードリーダー対応モデルが8GB。ストレージにはSSDを採用しており、容量は標準モデルが128GB、スマートカードリーダー対応モデルが256GBとなっている。

Wi-Fiは、IEEE 802.11a/b/g/n準拠で、Bluetoothはv4.0。搭載されているセンサーは、「デジタルコンパス」「加速度センサー」「照度センサー」「角速度センサー」。

インタフェースはUSB3.0ポート(標準サイズ)とSDXCカードスロットで、フロントにHD(720p)撮影対応の92万画素カメラが搭載されている。

バッテリー駆動時間はJEITAバッテリー動作時間測定法(Ver.1.0)による計測で2時間。外形寸法は、475mm(高さ)×334mm(幅)×12.5mm(厚さ)。重量は、標準モデルが約2.35kg、スマートカードリーダー対応モデルが約2.39kg。

非常に高精細な4K液晶

背面はグラスファイバー

20インチながら薄型を実現

少々分かりづらいが、スマホを重ねて厚さ比較(比較対象の厚さは7.9mm)

近寄って見ても、殆どドットを認識できず

同社の7インチAndroid TOUGHPAD「JT-B1」とサイズ比較
上は電子タッチペン

20インチサイズながら片手で持てる重量を実現

4KモデルとこれまでのTOUGHPADシリーズ

4Kタフパッドで新たな市場の創造を

パナソニック AVCネットワークス 事業開発センター 事業推進第一グループ 設計開発室 両角 昌英室長(左)と 同社 ITプロダクツ事業部 原田 秀昭部長(右)

パナソニックは同日、都内で発表会を行い、パナソニック AVCネットワークス 事業開発センター 事業推進第一グループ 設計開発室の両角 昌英室長と 同社 ITプロダクツ事業部 原田 秀昭部長が4Kタブレットの説明を行った。

タフパッドは、1月に米国で行われた家電見本市、Consumer Electronics Show(CES)のコンセプト展示以降、自動車業界や化粧品業界の一部企業に試験端末を提供。フィードバックを通してタフブックの製品作り、完成度の向上を図ってきたという。

原田部長は、「法人市場ではお客様と直接話して課題の解決を図る。このフィードバックなどにより新しい価値の提案を行うことができる」と語る。

実際にフィードバックなどを通して改善を図った点では、最新OS Windows 8.1の採用がある。これはパナソニック自身の要望に寄るところも大きいが、開発を通して見つかったWindows 8の課題をマイクロソフトに送ることで「高解像度端末への対応といった点で8.1の改良に繋げてもらった」(両角室長)という。法人市場ではWindows 7の人気が根強いものの、このような取り組みやタブレット端末では8.1のUIが適切といった判断もあったようだ。

また、4K液晶パネルは現在主流の16:9のアスペクト比ではなく、15:10のパネルが使われている。これについては「A3用紙とほぼ同じサイズで表示できるメリットがある」(両角室長)と話した。

同社のPC、タブレット端末最大の特徴である堅牢設計についてもこだわりを見せ、「背面にはグラスファイバーを利用して耐久性の向上を図った。また、スマートフォンのELUGAシリーズでも採用した『ホットメルト』と呼ばれる接着法を採用することで、従来の強力両面テープによる接着法よりも3倍のはがれ強度を実現した」(両角室長)と胸を張った。

オプションである電子タッチペンも一般的な電磁誘導方式や抵抗膜方式ではなく、デジタルペンに関する技術で定評のあるAnotoグループの技術を採用。タブレット端末などでタッチパネルの接触位置と実際のタッチ判定される位置が異なってしまう「視差」の問題をAnotoの技術で解消。20インチ級のタッチパネル端末では、視差が通常1mm程度であるところを、この4Kタブレットでは0.1mm程度に抑えたとしている。