ホビーロボットメーカーの近藤科学は9月4日、無線LAN(IEEE802.11a/b/g/n)機能を搭載し、同社製のホビーロボットなどに利用できるシリアルポート付きコントローラ「KCB-4WL」の発売を発表した。
同社製2足歩行ロボット「KHR-3HV」に搭載されているコントロールボード「RCB-4HV」や、以前のロボット「KHR-2HV」や「KHR-1HV」搭載のコントロールボード「RCB-3HV」との通信が可能なほか、プログラムを組めばUARTより各種マイコンボードとの通信も行える仕様だ。ヘッダピンを含むサイズは59.5mm×46.5mm×17mmと小型で、KHR-3HVの標準バックパックに搭載することも可能だ。組込みも簡単で、モーションへの影響も最小限に抑えられるようになっている。
また、COMポート経由でそれらロボットに搭載されたコントロールボードと通信できるので、ロボットへの動作の命令を送ることも可能だ。OSとしてLinux(glibcベース)がインストールされており、その環境を利用しプログラミングをすれば、KCB-4WLに実装されているUSBからの情報を得たり、KCB-4WL本体をロボットの頭脳として活用したりすることも可能だ。頭脳はKCB-4WL、動作はRCBシリーズと切り分けることで制御を効率よく、シンプルに実行することができるようになっているのである。
さらにKCB-4WLは、無線LANを利用してPCからロボットに命令を送ることはもちろん、ロボットとPCを双方向に情報交換することでリモートブレインのように外部に頭脳を持たせることも可能。
サンプルプログラムも多数附属しており、画像処理やロボットの自律化といったことも行える。さらに、WebカメラやUSBメモリ、GPSデバイスなど、さまざまな機器を接続してユーザー独自のシステムを構築できる仕組みだ。
9月5日からスタートした先行販売では、ベータ版となっており、先行販売のみ3万1500円という価格設定だ。正式版の販売時期は2013年末予定で、価格は未定。仕様は、以下の通りだ。
- サイズ:59.5mm×46.5mm×17mm(ヘッダピン含む)
- CPU:Atmel製 32bit ARM9ベース 400MHz
- OS:glibcベースLinux
- RAM:64MByte
- Flash ROM:64MB
- 無線LAN:IEEE802.11a/b/g/n(54Mbps/11Mbps)対応
- 通信:UART×2、USB2.0×2(Aタイプソケット)※USBはホスト機能に対応