世界最大の島グリーンランドは、総面積の80%以上が氷床と万年雪に覆われている。その氷床に下に、米国アリゾナ州にあるグランド・キャニオン(全長446キロメートル)の1.7倍におよぶ巨大な峡谷があることが、上空からのレーダー観測で分かった。

米航空宇宙局(NASA)によると、グリーンランドの氷床は厚い所で3,000メートルにも達する。人工衛星からのレーダーでは透過できないために、英独などとの共同研究チームが、航空機に搭載のレーダーを使って氷床下の岩盤の様子をこれまで数十年にわたり調査し、2009-12年はNASAの「アイスブリッジ作戦」として集中探査した。

データ解析の結果、グリーンランド中央部から北方の北極海に面したフィヨルド海岸まで全長750キロメートルにおよぶ“巨大峡谷”があり、谷の深さもグランドキャニオンに匹敵する800メートルに達する所もあるという。この峡谷は今から400万年前に氷床で覆われてしまったらしい。

この研究論文“Paleofluvial Mega-Canyon Beneath the Central Greenland Ice Sheet”は、米誌『Science』(8月30日)に掲載された。

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