Texas Instruments(TI)は、MIPIアライアンスのRFフロントエンド(RFFE)デジタル制御インタフェースを集積し、マルチバンドとマルチ無線通信を簡素化するRF電力コンバータとして、高効率降圧型コンバータ「LM3263」と昇降圧型コンバータ「LM3279」を発表した。

LM3263は、2.5A降圧型コンバータ(周波数2.7MHz)で、高速の出力電圧過渡波形を持つマルチモード、マルチバンドのパワーアンプの厳しいRF要件への適合を実現する平均電力追跡機能を内蔵している。また、アクティブ電流アシスト/アナログ・バイパス(ACB)機能を内蔵しており、出力レギュレーションの低下を招かずに、インダクタ・サイズの最小化を可能にし、ソリューション・サイズを競合製品の約半分の10mm2まで低減することを可能とする。

一方のLM3279は1A昇降圧型レギュレータで、3G/4G LTE向けに、高速の出力電圧過渡波形をサポートすることが可能なほか、電池電圧の低下時にも、アンプの高出力と高データレートを可能にするという。

2製品ともに最大95%の変換効率を実現しているほか、平均電力追跡機能とダイナミック可変出力電圧機能により、発熱と電池の消費電流を低減することが可能であり、これにより2G、3G、4G LTEスマートフォン、タブレット、データカードなどの電池寿命と通話時間を延長することを可能にすると同社では説明している。

また同社は、2製品に併せて、MIPI RFFEホスト・インタフェース内蔵の汎用出力エクスパンダ「LM8335」も発表している。同製品は、汎用入出力ピンの割当て要件を軽減するとともに、MIPI RFFE非準拠アナログ制御部品を使用する最大8本の追加アナログ出力をサポートしており、設計の自由度を向上させることが可能だという。

なお、LM3263は2mm×2mm×0.6mmの16ピン鉛フリーDSBGAパッケージで供給され、1,000個受注時の単価(参考価格)は、0.48ドル。一方のLM3279は、2mm×2.5mm×0.6mmの16ピン鉛フリーDSBGAパッケージで供給され、1,000個受注時の単価(参考価格)は、0.75ドルとなっている。また、LM8335は、2mm×2mm×0.6mmの16ピン鉛フリーDSBGAパッケージで供給され、1,000個受注時の単価(参考価格)は、0.68ドルとなっている。

TIのMIPIアライアンスのRFFEデジタル制御インタフェースを集積し、マルチバンドとマルチ無線通信を簡素化することを可能としたRF電力コンバータ