富士通セミコンダクター(FSL)は9月4日、同社のイメージングプロセッサ「Milbeaut」の第7世代品「M-7Mシリーズ」の新製品「MB86S22AA」を開発し、2013年9月よりサンプル出荷を開始すると発表した。
同社のMilbeautは2000年に発売されて以来、デジタル一眼レフカメラやスマートフォン搭載カメラなど、幅広いカメラ搭載製品などに活用されてきたイメージングプロセッサ。
第7世代となる同シリーズでは、画像処理アルゴリズムを一新し、光学補正能力を大幅に改善したほか、新規開発の「Integrated Image Processor(IIP)回路」を採用することによる高速処理の実現、ならびにDolby Laboratoriesが開発したJPEG-HDRフォーマットの搭載によるHDR(High Dynamic Range)撮影品質の向上などを実現しており、これらにより静止画処理では従来品と比較して約2倍の処理性能を実現したという。また、動画処理においても、独自のアルゴリズムによりフルHD 30pおよび60iのH.264/AVC圧縮伸長動画処理を可能にするなど、デジタル一眼カメラやハイエンドコンパクトデジタルカメラに要求される高画質と高速処理に最適なソリューションを提供することが可能だと同社では説明している。
さらに、低消費電力化技術として、SuVoltaのDeeply Depleted Channel(DDC)テクノロジと、55nmプロセスを組み合わせた超低消費電力テクノロジ「CS250S」を採用。加えて、新規開発の専用電源制御回路と設計手法の最適化により、回路規模を増加および処理能力の向上を実現しつつ、消費電力を従来品比で約30%削減することに成功したとしている。
プロセッサにARM Cortex-A5MPを採用し、最大で24Mピクセル時に12fps相当の画像処理速度を実現しているほか、特徴点抽出が可能なハードアシストを搭載。また、レンズに関しても補正機能の向上のほか、歪み補正、解像度低下補正なども搭載、新規ノイズフィルタの搭載、周辺ボケ補正回路の新規開発、パープルフリンジ対策の強化などと組み合わせることで、光学補正能力の改善が図られている。
なお同製品のサンプル価格は6000円で、量産時には月産100万個の販売を目指すとしている。