計測機器大手Agilent Technologiesの日本法人であるアジレント・テクノロジーは9月4日、トリプル四重極ガスクロマトグラフィ質量分析システム(GC/MS)「Agilent 7000C」を発表した。

同製品は、「7000B」の後継モデルで、システム性能の向上、メソッド最適化の簡素化、運用コストの低減を図った。また、今年初めにGC/MSD「5977」シリーズに採用された新設計のイオン源テクノロジーを搭載し、食品中の残留農薬分析など、極微量分析のさらなる高感度化を実現した。さらに、システム全体の改良により、オクタフルオロナフタレンによる機器検出下限(IDL)は4fgの高感度を達成している。

この他、GC「7890B」のMSとのダイレクトコミュニケーション、Inert Flow Path(不活性サンプル流路)、エコフレンドリーなどといった最先端機能を統合したのに加え、MassHunterソフトウェアの新ツールにより、高感度、高精度、高生産性を実現しながら、最適な分析メソッドを簡単に開発でき、電気やガスの消費も抑えられる。

なお、国内向けには10月から、独自の農薬分析のノウハウを集約した残留農薬分析ソリューションパッケージ「Agilent MRM Screeningキット」の販売も開始する。同ソリューションパッケージは、国内の主要試薬メーカのポジティブリスト制度用混合溶液をカバーする420 成分のMRMデータベース、その測定および同位体標識体添加相対定量メソッド、カラムなどの部品、分析手順書および取扱説明で構成されている。「7000C」と「Agilent MRM Screeningキット」を用いることで、ポジティブリストに対応した迅速で定量性の高いスクリーニングを提供し、初心者でもすぐに残留農薬分析を、確実、迅速、かつ網羅的に実行できる。「7000C」と同時購入の場合には、同ソリューションパッケージを希望販売価格72万円から50%引いたキャンペーン価格で購入できる。

Agilent 7000シリーズの外観