アンリツは、シグナリングテスタ「MD8430A」のLTE-Advanced試験機能を拡充したと発表した。

スマートフォンやタブレット、USBカードタイプのデータ通信端末など、各種モバイル端末のLTE対応が加速している。また、映像や動画などリッチコンテンツの利用拡大により、モバイル回線のさらなる高速大容量化が必須となっている。これに対し、キャリアアグリゲーション機能により、LTEをさらに高速化するLTE-Advancedの開発が本格化している。LTE-Advancedは、キャリアアグリゲーション機能により高速データ通信を実現することから、同機能の検証を可能とする基地局シミュレータが強く求められている。

そこで今回、LTEおよびLTE-Advancedの検証用基地局シミュレータとして展開する「MD8430A」のキャリアグリゲーション試験機能を拡充し、TDD方式LTE-Advancedに対応させた。「MD8304A」は、すでにFDD方式LTE-Advancedのキャリアアグリゲーション試験に対応しており、世界各国の移動通信事業者、端末・チップセットベンダで多数採用されている。

TDD方式LTE-Advancedへの対応にはオプション「MD8430A-085」を利用する。「MD8430A-085」は、すでにFDD方式LTE-Advancedのキャリアアグリゲーション試験に対応しており、新たにTDD方式LTE Advancedのキャリアアグリゲーション試験に対応した。「MD8430A」に「MD8430A-085」をインストールすることにより、TDD方式LTE-Advancedの擬似基地局として動作し、キャリアアグリゲーション機能の符号・復号試験やプロトコル試験、スループット性能評価などが行える。

この他、「MD8430A」の本体機能も強化し、LTE-Advancedの最新規格である3GPP規格Release10で仕様化されたeICICとTM9を用いた環境での接続検証も可能になった。

アンリツの「MD8430A」。今回、LTE-Advanced試験機能を拡充し、TDD方式LTE Advancedのキャリアアグリゲーション試験に対応させた