F5ネットワークスジャパンは、ADCのエントリーモデル「BIG-IP 800」を追加したと発表した。同製品は日本市場での展開のみとなる。また「BIG-IP」の新バージョン11.4を9月より提供すると発表した。

「BIG-IP 800」は、L4のスループット性能、L7のHTTP処理性能やiRulesによるアプリケーションロジックに基づくトラフィック配信など、ADC市場で実績ある同社が低価格で提供することで、今まで価格がネックとなり、導入が進まなかった日本の中小企業をターゲットとし、その市場に切り込んでいく。

F5ネットワークスジャパン 代表取締役社長 アリイヒロシ氏

発表会ではF5ネットワークスジャパン 代表取締役社長 アリイヒロシ氏が登壇。「ADCの市場は海外で45%、日本で30%となっており、シェアを目標の50%にしたい。そのためにエントリー層をターゲットにした施策が必要」とし、今回のADCのエントリーモデル「BIG-IP 800」を投入した経緯を説明した。そして日本市場限定といった今回の施策について、「グローバルでも初めての試みで、それだけ日本の市場を重要視している」と言及した。

また、同社が考えている成長戦略の1つとしてセキュリティ分野の強化について触れ、ファイアウォール分野やBYODソリューションの強化、ユニファイド・セキュリティの提供やパートナー連携の強化をしていく。

ハードウェア仕様はネットワーク・インタフェースが1Gポート×6、最大スループットが1Gbps。最大L4 HTTPリクエスト数/秒(RPS)が175,000RPS、最大L7 HTTPリクエスト数/秒(RPS)が100,000RPS。最大L4 コネクション/秒(CPS)が60,000CPS、標準SSLトランザクション/秒(TPS) 500TPS。価格は138万円(税別)からとなっており、提供開始時期は2013年9月を予定している。

BIG-IPの特徴

また2013年9月より提供を予定している「BIG-IP 11.4」で提供される新機能や新製品は以下の通りとなっている。

  • VXLAN/NVGREのゲートウェイ機能:仮想ネットワーク機能を実現

  • iCall:F5の独自OSであるTMOSのコントロール・プレーンを自動化し、ネットワークイベント毎のポリシー制御をダイナミックに自動化する新機能

  • プラットフォーム製品の拡充:オンデマンド・ライセンス体系の発売や業界で最も幅広いハイパーバイザをサポートするBIG-IP仮想アプライアンス(VE)の強化

  • ScaleN:テクノロジを強化し、さらに柔軟なリソースの拡張を実現

  • BIG-IP Application Acceleration Manager(AAM):最先端のアプリケーション高速化とトラフィック管理のテクノロジを単一プラットフォーム上で提供し、サーバ・リソースの有効活用を実現

TMOSの特徴