Facebookページで「エンゲージメント」を高めるってどういうこと? そもそも「エンゲージメント」ってなに? Facebookページの担当になった新人マーケターのあゆみちゃんと一緒に、実際に運用してみると意外に曖昧なFacebook関連知識を再確認して、Facebookページの運用成果を向上させましょう。

「エンゲージメント」ってなに?

ソーシャルメディアのコミュニケーションの密度を測る指標として「エンゲージメント(Engagement)」というキーワードがよく使われます。

そもそもエンゲージ(engage)という言葉には〈人を〉引きつける、魅する、 喜ばせるという意味がありますが、マーケティングに用いる場合の「エンゲージメント」は、企業自体や商品やブランドなどに対して消費者が、「好意を持っている」とか「満足している」というよりも、もっと深い思い入れを抱いている、「愛着心」を感じている状態を表しています。

日本語では「きずな」「つながり」「かかわり」などと訳されることが多いのですが、男女間の「婚約」という意味にも使われるように、安心や信頼といった感情を元に、互いに積極的に関わる関係性の持続を「約束する」という意味にもとらえることが出来ます。

異性と出会ってその日のうちに婚約するということがないように、企業と消費者の間にもいきなりエンゲージメントが生まれることはありません。エンゲージメントはコミュニケーションを重ねることで高められるものであり、時間をかけて醸成していくものなのです。

Facebookでアジアパシフィック地区のマーケティングを担当するメグ・スローン氏は、頻繁かつ軽量なインタラクション「Frequency Light Interaction(F.L.I.)」を、時間をかけて継続的に積み重ねていくことで「関係」をつくることが、Facebookでのマーケティングの本質だとしています。

※参考:【fMC Tokyo 2012レポート】Facebookが目指すマーケティングの本質とは?(3)
http://smmlab.aainc.co.jp/?p=6364

エンゲージメントはどうやって図るの?

Facebookページにはこのような企業とファンのエンゲージメントをデータとして確認できる「インサイト」という機能があります。

従来はFacebookページの「いいね!」数に対する「話題にしている人」数の割合を「エンゲージメント率」という指標として参考にすることが多かったのですが、「話題にしている人」の数はページに「いいね!」をしていない人も含まれてしまうため、評価指標としての信頼性はあまり高くありませんでした。

しかし、これまで「話題にしている人」という1つの指標でまとめて表記されていた、Facebookページの投稿へのユーザーのアクションが、新たに「交流度(英語表記 Engagement)」いう名称で、以下の3タイプに分けて表示されるようになりました。

・何らかのアクションを実行した人
(投稿に、いいね!やコメントシェア、クリックしたユニークユーザー数)

・いいね!数、コメント数、シェア数、

・投稿クリック数
(いいね!、コメント、シェアは含まれず、文中内のリンククリック数の他、 画像を大きくしたり、「もっと見る」やタイムスタンプなどをクリックした数)

新しいインサイトでは、それぞれの合計が折れ線グラフで前週と比較できるようになっているほか、各投稿ごとに投稿クリック数といいね!、コメント、シェアに確認できるので、変化の推移や他の投稿との比較で、投稿そのものを評価する参考に出来るようになりました。

※参考:【要チェック】Facebookページインサイト全面刷新!新インサイトを詳細解説
http://smmlab.aainc.co.jp/?p=23214

新アルゴリズムで注意すべき「投稿」のポイント

先日8月23日(米国時間)、Facebookはニュースフィードの表示コンテンツを選択するアルゴリズムに、投稿の品質を判定する機械学習システムを新たに組み込んだと発表しました。

このシステムでは、非表示にされた頻度や、低品質として報告される頻度のほか、ページのプロフィールの完成度、その投稿のファンが他の高品質な投稿のファンであるかどうかなど、約1,000以上の要素から複合的にページの投稿(オーガニックなもの)の品質を判定するそうです。

引き続き、ファンが関心を持ちそうな話題をタイムリーに投稿し、高い反応を得ることが重要であることに変わりはありませんが、一方で頻繁に非表示にされると、非表示にしたユーザーだけでなく、他のユーザーのニュースフィードでの表示ランクも低くなることにも注意が必要です。

また、写真投稿に対して反応を示すことが多いユーザーのニュースフィードには、より多くの写真投稿が表示されやすくなり、リンクを良くクリックするユーザーには、リンク付きの投稿がより多く表示されるようになったため、一つのタイプの投稿だけを継続的に投稿し続けると、他のタイプの投稿を好むファンからは投稿を見てもらえない可能性が高くなってしまいます。

ですからインサイトの「最も効果的な投稿のタイプ」を参考にしても、一つのタイプに集中するのではなくバランスを取りながら全体の指標を見ていくことが大切でしょう。

たとえば、一つの投稿に100の「いいね!」が付いたとしても、「いいね!」をした動機は100人のユーザーがそれぞれ違うはずです。ユーザーとの関係性を正しく理解するには、単純に数値データだけを見て判断するのではなく、どのようなコンテンツに、どのタイミングで、どのような反応がされているのか、そしてその裏にあるユーザーの心理を、文脈になぞらえて解釈する必要があるのではないでしょうか。

イラスト

速瀬 みさき

1993年よりホラー誌デビュー。漫画家として活動しながらエッセイ、イラスト、デザインなども手掛ける。近著コミックスは、メイド喫茶にバイトで潜入取材漫画。広告代理店勤務の夫を持ちながらも、マーケティングなにそれ?状態で執筆中!

公式サイト : http://www.nanacom.com/
Facebookページ : http://www.facebook.com/hayase.mi
用語解説:ソーシャルメディアマーケティングラボ

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