FreeBSD - The Power To Serve

8月24日(英国時間)から5日間、英国ケンブリッジにおいてFreeBSDのデベロッパ会議「BSDCam」が開催されている。欧州を中心に世界中のFreeBSDデベロッパが集まってさまざまな分野に対して議論や情報交換を実施する国際会議。会議にブリリアントサービスの開発者Johannes Lundberg (ヨハネス・ルンベリ)氏が参加しており、インタビューする機会を得た。Viking OSの話やViking試作機の試用をさせてもらうことができたので、その様子をお伝えしたい。

Vikingはブリリアントサービスが開発を進めているヘッドマウントディスプレイ。スマートグラスという名称で呼ばれるシーンが増えているタイプのデバイスで、「Viking OS」と呼ばれるオペレーティングシステムを採用している。「Viking OS」がFreeBSD 10-CURRENTベースであり、より優れたユーザ・エクスペリエンスを実現するにはスクラッチからシステムを開発する必要があったということは以前にも紹介している。

Viking試作機

試作機のカメラとアイモニタ

試作機では画像認識処理エンジンはノートPC側で実行されている。カメラとアイモニタがヘッドマウント部分にあり、処理エンジンはノートPCという構成だ。ノートPCにおいてFreeBSDベースのViking OSが実行されていることになる。プロダクトの段階では処理エンジンそのものもヘッドマウント部分へ取り込まれることになる。

試作機では処理はノートPC側で実施

人間が目を通じて見るものはノートPCの画面にも写る仕組みになっている

実際に試作機(この試作機は第1期試作機となる)を使わせてもらった。目の前にメニューが表示されており、手を伸ばして人差し指でアイコンを指すような仕草をとるとそのボタンが押されたのと同じ状態になる。眼下に地図が広がり、見えている景色にオーバーラップする形で表示される。視点は指のジェスチャーで上下されることができ、見る方向を変えればそれに合わせて表示されるマップも移動する。

違和感を感じるかと思っていたがそういうこともなく、情報を補完するツールであるとストンと入ってきたところが不思議な感じがした。実際に物を操作しているわけではないのだが、見ているものを手で動かすような仕草というのは受け入れやすいのかもしれない。

2014年には第2期試作機となるマークII、2015年には次の試作機となるマークIII、2016年には最終的なプロダクトが完成する見通し。マークIIではヘッドマウント部分がよりスマートになり、マークIIIでは完全なメガネモデルとブローチのようなアイテムでの処理エンジンといったところまでダウンサイジングを進め、2016年には完全にメガネアイテムですべての処理ができるようになる見通し。試作機のマークIIはBTOでの販売が開始されており、2013年末には実機を試すことができる状態になる。当初はインダストリユースやメディカルユースが期待されており、最終的にはコンシューマ向けへ登場する予定だ。Vikingの今後の開発に注目しておきたい。