計測機器大手Agilent Technologiesの日本法人であるアジレント・テクノロジーは8月28日、最大160MHz帯域幅に対応した1MHz~3/6GHz対応PXIeベクトル・シグナル・アナライザ(VSA)「Agilent M9391A PXIe ベクトル・シグナル・アナライザ」を発表した。

同製品は、同社のベクトル信号発生器「M9381A PXIe」を補完する位置づけの製品で、同社ではワイヤレス用パワーアンプ、トランシーバ、携帯電話基地局(主にピコセル、フェムトセル)の試験や設計検証に最適だと説明している。

また、無線通信信号の標準的な測定に幅広く用いられている同社のモジュール測定器向け「Xシリーズ測定アプリケーション」を、同製品上で利用することで、プログラムの互換性、測定の接続性を確保しながら、LTEやGSM、W-CDMA、802.11acなどの通信規格における測定スピードの向上を図ることが可能だ。

広帯域パワーアンプ、フロントエンドモジュール、トランシーバなどの試験においては、同製品とM9381Aおよびモジュール用Xアプリケーションを併用することも可能だという。

さらに、同製品のRF帯域幅は標準で40MHzながら、100MHzもしくは160MHzまで拡張することも可能なほか、リサンプリングをハードウェアで処理することで、高速な変調解析を実現可能。これらのハードウェアの拡張はライセンスキー方式を採用しているため、必要時に即座に対応することが可能となっている。

なお、同製品は「M9350Aダウンコンバータ」、「M9301Aシンセサイザ」、「M9300A周波数標準」、「M9241Aデジタイザ」で構成されており、価格は268万円(税別)からとなっているほか、帯域幅、周波数、メモリ拡張および高速スイッチングを実現するソフトウェアアップグレードも提供されている。

M9391Aの外観