Texas Instruments(TI)は8月27日、システムの待機時消費電力を低減するプログラマブルシステムタイマとして、ウォッチドッグタイマ内蔵の「TPL5000」と、MOSドライバ内蔵の「TPL5100」2品種を発表した。

2品種ともに消費電流は30nAで、競合製品と比較して90%削減することが可能。また、マイコン内部タイマを不要にし、マイコンをスリープモードで保持できるため、既存製品と比較して、システムの待機時消費電力を最大80%削減できるという。

主な用途として、煙感知器、一酸化炭素警報装置、インテリジェントプライスタグ、人感知センサ、セキュリティカメラ、ドアロック、ワイヤレスセンサノード、データロガーなどの幅広い電池駆動システムやエネルギーハーベストシステムなどが想定される。こうした用途のメインシステムはほとんどの時間、スリープモードまたはパワーダウンモード状態にあり、マイコン内部タイマの消費電力が大きな比重を占めている。「TPL5000」と「TPL5100」は、マイコン内部タイマよりも消費電流が極めて低いことから、消費電力の削減とシステムの電池使用時間の延長を実現する。

「TPL5000」のタイミング遅延は、1~64秒で選択可能であり、煙感知器などの数多くの機器の電池使用時間をさらに延長する。また、エネルギーハーベストシステム、ワイヤレスセンサノード、データロガーなど、変化の遅いデータ計測向けには、16~1024秒までの間隔設定が可能となっている。さらに、「TPL5000」はシステム消費電力の増加を招かずに、欧州安全規格EN50271をサポートする。

なお、パッケージは「TPL5000」と「TPL5100」ともに、3mm×5mmサイズの10ピンVSSOP。価格は1000個受注時でそれぞれ0.60ドル。現在、量産出荷中。また、評価モジュール「TPL5000EVM」と「TPL5100EVM」を20ドルで供給中。これらの評価モジュールは、「TPL5000」と「TPL5100」の遅延タイマの設定により、超低消費電流の計測が可能。また、「MSP430」、 Tiva Cシリーズ 、「C2000」Piccoloの各マイコンローンチパッドと直接接続でき、ウォッチドッグタイマとパワーサイクリング機能の試験もできる。「TPL5000」と「TPL5100」の信号の整合性検証のためのIBISモデルも供給中。

TIのプログラマブルシステムタイマ。ウォッチドッグタイマ内蔵品「TPL5000」と、MOSドライバ内蔵品「TPL5100」