日本IBMは2013年8月27日、同社の高性能プロセッサー「POWER7+」を搭載し、PaaS(Platform as a Service)向けに特化した統合型システム「IBM PureApplication System W1700」のエントリーモデルを発表した。このモデルは、9月13日より提供を開始する予定。

IBMは、ハードウェアやソフトウェアのコンポーネントを設計段階から統合し、システムの構築や運用に必要な知見を「パターン」として定義して、自動的に最適な資源を構築することができる「エキスパート・インテグレーテッド・システム」を開発。幅広いユーザー組織に対し、柔軟かつシンプルなクラウド基盤の構築や運用を支援する「IBM PureSystems」ファミリーを提供している。特に、Webアプリケーションやデータベースをはじめとする多様なソリューション向けとして、PaaS環境構築のために設計・チューニングされたプラットフォーム「IBM PureApplication System」シリーズを展開している。

IBM PureApplication Systemシリーズは、x86アーキテクチャを基盤とする「W1500」と、POWER7+アーキテクチャを基盤とする「W1700」の2モデルが用意。今回発表されたW1700エントリーモデルは、搭載プロセッサ数が32コアまたは64コアの2種類が用意された。

POWER7+アーキテクチャの特長である仮想サーバーの高い集約率と処理能力、ハードウェア上でサーバ仮想化を実現するテクノロジー「PowerVM」による高いセキュリティと可用性といった、従来の96コア以上を搭載するW1700モデルと同等の機能を実装しながら、ラックサイズがおよそ3分の2に、消費電力がおよそ3分の1に抑えられ、導入や運用の負担を軽減することが期待される。

IBMによれば、新製品ほかIBM PureApplication Systemシリーズでは、「容易に構築・リカバリーできる災害対策機能」「垂直スケーリング機能のサポート」「ファイル暗号化機能」「運用管理機能の強化」「W1500モデルにおけるWindows OSサポート」といった機能追加・強化を図り、可用性とセキュリティ性を高めている。