NetAppは2013年8月26日(米国時間)、VMware環境向けのエンドツーエンドのストレージ管理ソフトウェアの最新版「Virtual Storage Console 5.0(VSC 5.0)」を発表した。このソフトウェアにはVMware vCenter Server 5.5へのサポートと連携機能が含まれる。
VMwareのソリューションとNetApp独自のストレージOSであるNetApp clustered Data ONTAPとの新しい連携機能により、数百の仮想マシン(VM)を同時かつノンストップでデータを移行することが可能となるという。
また今回の機能強化には、VMware vSphere、VMware Horizon Suite、VMware vCenter Server、VMware vCloud Automation Center、VMware vCenter Log Insightとの連携が含まれ、これによりVMwareが提唱するSDDC(software-defined data center)環境でのSDS(software-defined storage)の導入を簡素化、高速化するという。
発表によれば、CIOの役割はアプリケーションの設計やデータセンターの運営から、ビジネス向けの情報サービスのブローカーへと変化しつつあるという。CIOをはじめとするIT担当者は、高速かつ低コストでスマートなITを実現する新しいテクノロジーやサービス配信モデルを期待している。SDDCによって、ハードウェアのリソースをプール化/抽象化すると同時に、そのリソースをソフトウェアでプログラマブルに取り扱うことができ、ノンストップなITインフラを実現できるとしている。
clustered Data ONTAPが備えるストレージ仮想マシン技術は、ハードウェアからデータアクセスとデータサービスを抽象化し、顧客の要件に合わせたストレージ基盤の導入を可能にする。
VSC 5.0では、VMwareのvStorage APIs for Storage Awareness(VASA)を通じたポリシー ベースの管理ツールであるVMware vSphere Web Clientとclustered Data ONTAPの連携を新たに追加した。またVSC 5.0は、ストレージ環境のパフォーマンスと状態に関するリアルタイムな可視性を実現するインテリジェンスと自動化の機能が追加された。2013年末に一般提供が開始される予定。
clustered Data ONTAPとVMware Horizon Suiteの連携は、クラスタ内での透過的なデータ移行の機能が拡張され、ノンストップでの負荷分散、ハードウェアのメンテナンスや最新テクノロジーへの更新に加え、新しいサービスの高速かつコスト効率の高い提供が可能になるという。また、NetApp製品とVMware vCenter OrchestratorやVMware vCloud Automation Centerとの連携により、ストレージの監視、プロビジョニング、データ保護の自動化とオーケストレーションが可能になる。
さらにNetAppは、サーバサイドフラッシュをアクセス頻度の高いデータを保存するためのキャッシュとして利用することで、アプリケーションパフォーマンスを向上するFlash Accel 1.2ソフトウェアの一般提供を開始した。最新バージョンには、VMware vSphere 5.1に加えvSphere vMotion/DRS/HAなどの主要機能へのサポートが含まれる。最新のFlash Accelを通じて、ストレージリードのオフロードやアプリケーションパフォーマンスの向上と同時に、データの一貫性を維持できるため、バックエンドのストレージの効率性が向上するとのことだ。