宇宙航空研究開発機構(JAXA)は8月27日、同日13時45分00秒に打ち上げる予定だった次世代固体燃料ロケット「イプシロン」を、打ち上げカウント終了直前に中止した。
同日、発射場となっている内之浦宇宙空間観測所の打ち上げ直前の気温は約27℃、雲もほとんどない状況で、天候条件としては最適であったが、本稿執筆時点(14時)では、まだ明確な中止理由をJAXAが発表していないため何とも言えないが、何らかの不具合が確認されたことからの打ち上げ中止判断だったと思われる。
イプシロンロケットは、1段目にH-IIAロケット用補助ブースターを活用し、2段目と3段目にはM-Vロケットの上段モータを改良して用いた固体燃料ロケットで、モータ構造の軽量化や、製造プロセスの簡素化などを図ることで、高性能化と低コスト化の両立が図られている。
また、打ち上げシステムとしても、ロケットに人工知能を搭載させることで簡素化が図られているほか、点検を自律的に行うことが可能なため、ネットワーク環境とノートパソコンさえあれば、ロケットの管制を行うことができる「モバイル管制」の機能も搭載されており、次世代ロケット管制システムの実現を目指していた。