新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は8月26日、NEDOの省エネモデル事業として、ウズベキスタン共和国の首都タシケントにある、同国の国営ジョイント・ストック・カンバニーであるUzbekenergoのタシケント熱電併給所内に高効率ガスタービンコジェネレーションモデル設備を竣工し、実証運転を開始したと発表した。

ウズベキスタンの発電設備の多くが旧ソ連時代に建設されたもので、老朽化による性能や運転信頼度の低下が進んでおり、設備の近代化が課題となっている。今回のモデル事業は、地域に電気と暖房・給湯向けの温水の両方を供給しているタシケント熱電併給所(電気出力2万2500kW)に、電気出力2万7000kWの高効率ガスタービンと排熱回収ボイラーから成るガスタービンコジェネレーション設備を導入し、タービン排熱を既存の設備に有効利用し発電電力量を増やすことで、効率の低い既設天然ガス火力発電所の焚き減らし(熱電併給所での発電電力量増産分相当の運転抑制)を図り、同国全体での燃料消費量を削減しようというもの。

新設されたガスタービンコジェネ設備は、天然ガスを燃料に発電を行い、その排熱を排熱回収ボイラ-(HRSG)で回収して蒸気供給を行うもので、総合熱効率が高く、熱生産量に対して発電量が比較的多いという特徴を有するほか、回収された蒸気を、既設の蒸気タービン、蒸気・温水供給設備で活用することで、比較的少ない設備投資により、ガスタービン排熱を最大限に有効活用することを目指したものとなっている。

これにより、10%程度の省エネと年間4万1000トンのCO2削減が可能になると見込まれているとのことで、NEDOでは今後、この実証事業の成果をもとに、ウズベキスタン政府などと協力してガスタービンコジェネレーション技術の普及活動を進め、同国だけでなく周辺諸国への同技術の普及を目指すとしている。

なお、同事業の予算は総額55億円でうちNEDOの負担は38億円。事業担当はNEDOの委託を受ける形で東北電力が行っている。

稼働した高効率ガスタービンコジェネ(GTCS)によるエネルギーインフラの変化のイメージ