チームを率いるリーダーはメンバーに厳しいことを言ったり、難しい課題を与えなければならない。その役割から、リーダーは尊敬されるか好かれるかのどちらかと言われているが、尊敬され、かつ好かれるリーダーになることは不可能ではないという。
Open Forumが「好かれるリーダーになる5つの方法(原題 : 5 Ways to Be a More Likable Leader)」という記事で、そのポイントを説明している。
リーダーはメンバーにインスピレーションを与え、やる気を高め、かつ自分への支持を獲得する必要がある。リーダーの役割を果たしながら好かれるためには、リーダーではなく人としてのつながりが求められる。リーダーが設定する目標だけでなく、リーダーその人を信じるチームができれば、きっとうまくいくはず。
しかしながら、このことを妨げている誤解が3つあるという。さっそくみてみよう。
誤解1 目標やアイディアありき
すばらしいアイディアや目標があることは大切だ。だがそれだけでは不十分。アイディアが次のヒット商品になるかどうかはアイディアだけではなく、適切な人が関わっているかどうか。目標やアイディアだけを気にするのではなく、だれに任せるのかが成否に大きく影響する。誤解2 好かれる=いい人
好かれるためにはいい人になればよい、と思っていないだろうか? "いい人"と好かれる人は違う。いい人は他人になかなか真実を言えず、いい人に徹しているが、好かれる人は真実や誠実さの上に人間関係を構築している人だ――つまり好かれたいならいい人になる、というのは誤解なのだ。誤解3 やる気は「ある」か「ない」かではない
インスピレーションややる気は、あるかないかのどちらかではない。一部の人からは良い刺激を受け、それ以外の人からはそれほど刺激を受けないという、白黒はっきりしていないのが現実だ。リーダーが良い刺激を与えることができれば、チームの生産性をはじめさまざまなことに好影響が出る。
3つの誤解が解けたら、次は尊敬され、好かれるリーダーになるためのステップを見てみよう。
1.真実を直視する
語られない、触れられない細かい部分に正直に向き合うことは簡単なことではない。だが、すばらしい目標の下にある難しい、面倒な、やっかいな細部に取り組むように持っていくことにより、メンバーはリーダーとリーダーの責任感や使命感を信じるようになる。難しい部分について皆が正面から話し、共有し、取り組むようになれば、強固な人間関係を構築できることだろう。
2.個人的な体験を語る
目標やアイディアだけでなく、体験や物語として話をすることはインスピレーションを高める効果がある。自分の過去の体験や教訓を語り、チームのメンバーにもっと身近に感じてもらおう。
3.心は大きく、利己心は小さく
利己心むき出しの行動をとるリーダーは尊敬されない。プロジェクトの進行はもちろん、報酬、オフィスの人間関係などさまざまなことについて、利己心は極力押さえること。リーダーのそんな態度はメンバー間の信頼を高め、社風もよくなる。
4.シンプルに
目標やアイディアを示すときはシンプルに徹する。戦略や指針は要点を抜き出してシンプルに、長く複雑な表現は避けよう。
5.タイミングに気を配る
タイミングを気にせずに割り込む、周囲の感情や流れを尊重せずに介入する、などの態度をとっていないだろうか? メンバーの状態(ストレスなど)を見ながらプロジェクトを進め、時には修正しよう。適切な時期を読み取る力は、通常からチームと良い関係を構築してないと養われない。