NXP Semiconductorsは、低消費電力の車載向け2ウェイ・マルチチャネルUHFトランシーバ「NCK2983」を発表した。

同製品はマルチコントローラシステムを組み込むことで、最大3チャネルを同時並行して受信できる独自機能を備えており、これによりポーリングの際に必要なアウェイク状態の時間を短縮することが可能となり、キーレスエントリやリモートスタート、タイヤ空気圧監視システム(TPMS)、ワイヤレス診断(WD)など、キーフォブと車体制御向けモジュール型アプリケーションの両方に最適なデバイスを提供することが可能になるという。

また、ソフトウェア・デファイン・ラジオに類似したコンセプトで、高パフォーマンス、低ノイズのフロントエンドでRF信号を高速のシグマ-デルタADCにダウンミックスし、DSPユニット内で最大3個の別々のチャネルへの信号入入力が可能となる「ワイドバンド・デジタルIF手法」により、複数のチャネルで並行してデータを受信することができるほか、チャネルはそれぞれ別個に設定でき、特定のチャネル周波数に合わせてベースバンドに信号をミックスダウンし、関連するチャネルフィルタや復調システム、クロックリカバリの設定を適用することができる。

さらに、Fractional N型の周波数シンセサイザが搭載されており、あらゆる汎用ISMバンドでのデバイス動作が可能なほか、周波数ホッピングが可能となるため、3つのベースバンドチャネルのそれぞれで周波数を自由に切り替えることができる。加えて、32KB EROM(FLASH)内蔵のマイコンシステムも組み込むことで、1チップで完全なアプリケーションを実現することも可能で、スリープモードや省エネのポーリングモードなど、バッテリー駆動式のキーや自動車のオペレーション向けの特殊なパワーモードにも対応することが可能だという。

なお、同製品は、ウェッタブルフランクを備えたHVQFN48パッケージで抵抗されるほか、カスタム・ファームウェアの開発を簡素化するIREC、評価キットおよびコンフィギュレーションキットも提供されるという。

NXPの低消費電力の車載向け2ウェイ・マルチチャネルUHFトランシーバ「NCK2983」